保存が良好な天塩中川産イノセラムス化石のバイオマーカー組成は、炭化水素画分において、n-アルカンの分布が特徴的である。n-C16とn-C17に頂点を持ち、n-C13からn-C21までのユニモーダルな分布である。CPI(C13-21)は0.79であった。n-アルカンの個別炭素同位体組成は、-30パーミルを下回らない。PMIやクロセタンは検出されなかった。脂肪酸は卓越するC16脂肪酸と-30パーミルを下回らない炭素同位体組成で特徴付けられる。芳香族画分ではペリレンが卓越した。化学合成群集との共生を直接的に示すバイオマーカーは検出されていないが、化学合成群集の可能性が示された。
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