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2011 年度 実施状況報告書

原生生物放散虫の被殻成分の進化とその起源

研究課題

研究課題/領域番号 23540545
研究機関東京学芸大学

研究代表者

高橋 修  東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (20242232)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード放散虫 / 被殻 / SiO2 / SrSO4 / 共生藻 / 進化
研究概要

定点観測を続けている琉球大学熱帯生物圏研究センター瀬底研究施設において,連携研究者/研究協力者とともに同大学実験船によるサンプリングを計3回おこなった. 1)放散虫の飼育・培養について これまで飼育に有用な餌が見つからなかったが,下記に示すように共生している渦鞭毛藻の培養に成功し,それが餌として効果的であることが判明した.これにより今後,蛍光色素などをもちいて殻の成長を観察することや,遊走子の分析などをおこなうめどがたった. 2)放散虫に共生している藻類について 放散虫に共生している藻類の,超薄切片観察および分子系統解析をすすめ,現時点で放散虫に特異的な共生藻2種を判別した(国際誌に論文2本・国内雑誌に論文1本投稿中).

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

まず第一に,放散虫の飼育培養が可能になったこと.これまで放散虫に関して,生活環が回る様子を観察した研究者はいない.今後,飼育培養をおこなうことにより,遊走子放出や殻の成長の様子を追うことができると考えている. また第二に,放散虫に共生している藻類の内容が明らかになってきたこと.共生という戦略でニッチを拡大してきた原生生物,放散虫にとって,その共生体(藻)の種類を限定することは,宿主と共生体間の遺伝子の受け渡しの可能性を検討するための大きなステップととらえている.

今後の研究の推進方策

本年度はノルウェー・オスロ大学のチームと共同で,ノルウェーと沖縄,それぞれでサンプリングをおこなう.すでにcDNAライブラリの作成に成功しているオスロ大学との共同研究により,被殻形成能についての検討をすすめること.また,こちらでイニシアチブをとっている共生体の解析について,極域の放散虫と亜熱帯の放散虫で,保持している共生体に特異性があるのか,それともまったく異なる共生体を宿しているのかについてもあわせて検討する.また,本年度は放散虫の殻形成の過程をケイ酸の染色により明らかにする予定である.まずケイ藻を用いて予備実験をおこない,その後,秋のサンプリングで得られた個体を中心に殻形成の過程について実験をおこなう.

次年度の研究費の使用計画

昨年度,研究経費の削減の可能性があったことから,年度途中まで大きな支出をひかえていたため,20万円程度の繰り越しを残している.次年度は,本年度残額と次年度使用額をあわせて,ノルウェーへのサンプリングと国際学会出席のための渡航に30万円程度,残額は,ルーチンの琉球大学へのサンプリング旅費,謝金,実験消耗品,および論文作成のための英文校閲費などをあわせて年間使用計画としたい.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 放散虫に共生する藻類の多様性(BBG021-P06)2011

    • 著者名/発表者名
      湯浅智子・堀口健雄
    • 学会等名
      地球惑星科学連合2011年大会
    • 発表場所
      千葉幕張メッセ(千葉県)
    • 年月日
      2011年5月26日

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公開日: 2013-07-10  

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