研究課題/領域番号 |
23540552
|
研究機関 | 芦屋大学 |
研究代表者 |
桑原 希世子 芦屋大学, 教育学部, 講師 (20507131)
|
研究分担者 |
加藤 泰浩 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40221882)
佐野 弘好 九州大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (80136423)
|
キーワード | 古海洋 / 放散虫化石 / 層状チャート |
研究概要 |
古生代末の大量絶滅に至るグローバルな海洋環境変動を解明するために,パンサラッサ遠洋域に堆積した最上部ペルム系層状チャートに含まれる放散虫サイズと,チャートの化学組成や岩相との関係を検討する目的で研究を進めている. 当該年度は,美濃帯舟伏地域において追加の試料採取を行うとともに,メインの郡上八幡セクションで採取されたチャートの化学組成の分析を行ったことが成果である.当初計画にはなかったが,舟伏地域層状チャートにおいての追加の野外調査で,郡上八幡の層状チャートと同様の岩相変化を確認することができた.追加試料の採取も行うことができたので,比較検討のための材料を揃える事ができた.チャートの分析に関しては,郡上八幡GAセクションの単層ごとの50試料の主成分分析値を得ることができた. 放散虫サイズの計測データは初年度に概要を出すことができている。Albaillella triangularisの殻サイズに2回の増加ー減少の変動サイクルを識別することができた。また,ペルム紀最末期にむけて,殻サイズが減少する傾向を確認できた.これらの変動は研究計画の上である程度予想されていたものであるが,ほぼ期待したデータを得ることができている.データの精度を高めるためには,さらに多くの追加データを収集する必要があるが,これはまだデータ数が不足である.岩相や化学分析値と放散虫サイズの計測結果との詳細な比較は,まだ実施できていない.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
チャートの化学分析には,当初の予想より時間がかかっており,現在,主成分の分析が済んだ状況である.また,放散虫サイズデータも、さらに数を増やすことが望まれるが試料によっては含有が少ないために時間がかかっている.チャートの分析と放散虫のサイズのデータはそれぞれ得られたが,これを総合して議論や考察することがまだできていない.
|
今後の研究の推進方策 |
化学分析のうち,チャートの微量成分に関しては,本年度の早い段階でデータが得られる予定である.今年度は研究計画の最終年度であるため,放散虫サイズとチャートの化学分析値や岩相のデータを早急に比較検討し,研究成果をまとめる予定である.学会および論文での発表を行う.
|
次年度の研究費の使用計画 |
議論のための打ち合わせに旅費を使用するとともに,研究発表に必要な消耗品費を使用する.
|