研究課題/領域番号 |
23540559
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
大和田 正明 山口大学, 理工学研究科, 教授 (50213905)
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研究分担者 |
小山内 康人 九州大学, 比較社会文化研究科(研究院), 教授 (80183771)
外田 智千 国立極地研究所, 研究教育系, 准教授 (60370095)
亀井 淳志 島根大学, 総合理工学研究科(研究院), 准教授 (60379691)
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キーワード | ゴンドワナ超大陸 / 東南極 / セール・ロンダーネ山地 / 大陸衝突帯 / 火成活動史 / 変成作用 / 地殻・マントル相互作用 / マントル進化 |
研究概要 |
東南極セール・ロンダーネ山地は,ゴンドワナ超大陸形成時の衝突帯に位置し,各種火成岩類によって貫かれている.貫入年代やマグマの成因についての解析はデータの蓄積と共に明らかになりつつある.しかし,これら火成岩類とゴンドワナ超大陸の形成テクトニクスとの関連は十分解明されていない.本研究は,セール・ロンダーネ山地の火成活動史,マグマの成因および大陸同士の衝突年代から,大陸衝突帯における火成作用とテクトニクスおよび地殻・マントルの進化過程を解明する. 平成25年度に計画した具体的な実施項目は以下の3点である.(1)ジルコンU-Pb年代による火成活動史の解明,(2)衝突後に活動した火成岩類の種類とマグマの成因,および(3)衝突後火成作用と地殻・マントル相互作用.平成25年度は研究期間の最終年度にあたるため,上記の項目の検討によって,大陸衝突帯の火成活動とテクトニクスの解明を試みた.具体的な成果は以下の通りである. 1.貫入岩類のうち,野外の産状で変成岩類の構造と非調和に貫入する閃長岩,花崗岩およびランプロファイアーに着目してジルコンU-Pb年代を測定した.その結果,これらは560-550Maに活動したマグマに由来することが明になった.また,この年代値は大陸衝突の年代(640-620Ma)よりも明らかに新しく,これらのマグマが衝突後火成活動に相当することが明らかになった. 2.現地調査に加えて詳細な岩石記載と岩石化学の検討から,衝突後の火成活動の特徴として,カリウムに富む玄武岩質マグマの存在が指摘される.そしてこのマグマは交代作用を受けたリソスフェアマントルに由来することが明になった. 3.詳細な火成活動史の解析結果から,衝突後のリソスフェアマントル組成は,衝突以前に比べてより交代作用の影響が強い.これは,衝突によって大陸地殻とリソスフェアマントルが混合した結果と考えられる.
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