研究課題/領域番号 |
23540563
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
深澤 倫子 明治大学, 理工学部, 准教授 (40409496)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | クラスレートハイドレート / 赤外分光法 / 表面 |
研究概要 |
宇宙空間には大量の水が存在し、生命の発生源の一つとして注目されている。例えば、極低温下で宇宙塵に凝集した水は、アモルファス氷やハイドレートの薄膜として存在する。この薄膜表面では、様々な分子の合成反応が起こる。従って、薄膜表面の構造は、宇宙空間における物質進化の過程を探る上で重要な鍵となるが、ハイドレートの表面については研究された例がほとんどなく、その構造や物性は明らかではない。本研究では、ハイドレート表面が持つ触媒機能の可能性を調べることを目的とし、赤外分光法を用いて、二酸化炭素クラスレートハイドレートの表面構造を解析する。 本年度は、試料生成用の低温真空チャンバーを作成し、このチャンバーを組みこんだ赤外分光測定システムを構築することを目標として研究を進めた。まず、ハイドレート薄膜を気相成長させるために、冷却基盤、液体窒素循環系、ガス導入孔、赤外線入射路および反射光導出路を設置したチャンバーを設計した。生成するハイドレート薄膜の厚さを精密に制御し、そのスペクトルを解析するためには、可能な限り冷却および真空排気に伴う振動を防ぎ、安定した温度・圧力制御が可能な冷却系を構築することが不可欠である。そこで、チャンバーと冷却系の間に振動を吸収させるためのベローズを設置し、液体窒素循環系と冷却基盤の両方にヒーターを設けた。この冷却系が完成し、安定した温度・圧力制御が可能であることを確認している。チャンバーについては平成24年度前半に作成し、完成次第、試料生成を開始する予定でいる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成23年度は、試料生成用の低温真空チャンバーを作成し、このチャンバーを組みこんだ赤外分光測定システムを構築することを計画していた。赤外分光装置については、研究室に既存の装置を使用する予定でいたが、装置の故障により測定システムの構築には至らなかった。そこで、平成23年度は、まず、予算を赤外分光装置の購入に充て、チャンバーに設置する冷却系の作成を進めた。平成24年度前半には、チャンバーを作成し、測定システムを完成させる予定である。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度前半には、まず前年度に設計した低温真空チャンバーを作成し、このチャンバーを組みこんだ赤外分光測定システムを完成させる。さらに、この測定システムを用いて、ハイドレート薄膜の生成法を検討する予定でいる。年度後半は、この生成法を用いて二酸化炭素ハイドレート薄膜を生成し、薄膜の厚さ変化に伴うスペクトルの形状変化を解析することを計画している。この結果を基に、表面層の構造(分子配置の無秩序度および平均構造)を決定したいと考えている。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度は、設備備品費により、前年度に設計した低温真空チャンバーを作成する。また、チャンバーと赤外分光光度計を接続するための光学部品等や、試料生成に使用する液体窒素、交換が必要な光学部品、真空部品等を購入するための消耗品費として使用する予定でいる。また、その他の経費としては、得られた成果を国内外の学会で発表するための旅費や、試料生成に関わる実験補助のための謝金、論文印刷費として使用したいと考えている。
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