研究課題/領域番号 |
23540573
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
北原 英明 大阪大学, レーザーエネルギー学研究センタ, 特任研究員 (20397649)
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キーワード | 国際情報交換 / 多国籍 / プラズマ物理学 / テラヘルツ分光学 |
研究概要 |
プラズマ中に生成された少量の不安定分子をテラヘルツ(THz)領域キャビティリングダウン(CRD: Cavity Ring-Down)法を用いた高感度な測定手法を確立することにより、プラズマ素反応をその場で解析することを目的として研究を行っている。 23年度はTHz周波数領域分光装置(THz-FDS)の構築を行い観測を行う予定であったが、予算給付の遅れからTHz-FDS構築を半ばまでしか遂行する事が出来なかった。そこで、本年度は引き続きシステム構築を続けた。立ち上げ当初からレーザーダイオード発信器の安定度が予定していたレベルに達せず、レーザーヘッドベースの交換や、より高安定度が望める光ファイバーへの交換などを行なった。これらの改良により安定度は向上したが依然として取り出せるレーザー光強度が予定していたレベルに達せず、分光器の信号対雑音比(SNR)が予定より低い状態である。高い感度が要求されるプラズマ分光を行うにはSNRが不十分なのでCRDの構築へそのまま進んだ。 本年度の研究目的であるTHz-FDSへのキャビティの導入によるCRDの実現では、金属エレメントの面積が大きいスパイラルアンテナを用いることでアンテナエレメント面をキャビティミラーとして動作させることにした。これによりクオリティファクターが凡そ10程度となる。キャビティ長を自動ステージで微調整することで共鳴周波数を選択できるよう改良する。これらの作業を現在実行中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
予算をぎりぎりまで絞り、安価な部品を使用して分光器を立ち上げているため様々な問題が発生している。理由としては 1.光源のダイオードレーザー発振器の安定度問題修正に多大な時間が掛かったため大きく遅れた 2.レーザー光源の強度不足により、分光器のSNRが予定していたレベルに達しなかったため、それを補う改良を施している 等が挙げられる。
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今後の研究の推進方策 |
即急に分光装置の立ち上げを進め、今年度中に測定を行うことを目標とする。課題としては 1.測定プログラムへのキャビティ長の調整ルーチンの導入 2.プラズマチャンバへのブリュースター窓の追加 3.レーザーダイオードの周波数を調整するプログラムの更なるルーチン改良 が挙げられる。基本的にはプログラムなどの修正により対応が可能である。発生する費用については翌年度の予算より支出し、不足分については連携研究者から現物で貸与を受ける。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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