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2013 年度 実績報告書

クーロン結晶によるナノ・イオンビーム生成の原理実証実験

研究課題

研究課題/領域番号 23540574
研究機関広島大学

研究代表者

伊藤 清一  広島大学, 先端物質科学研究科, 助教 (70335719)

キーワードナノ・イオンビーム / クーロン結晶 / レーザー冷却 / 非中性プラズマ
研究概要

我々は線形ポールトラップ中にレーザー冷却法を用いて生成した紐状クーロン結晶をイオン源として,ナノ・イオンビームを生成する方法を提案してきた.本研究課題以前に,結晶化したイオン群をトラップから引き出しその軸方向の構造を実験的に計測することに成功している.本課題では、引き出したイオン群の断面方向分布および拡がり角を実際に測定することで,断面方向の位相空間分布を特定し,クーロン結晶からのナノ・イオンビーム生成の可能性を実験的に検証することを目的とした.昨年度までに真空容器と線形ポールトラップの改良を終えたが、この新しい装置でのクーロン結晶化には成功していなかった.
今年度も引き続き新システムでクーロン結晶の生成を目指した.しかし,本年度の実験においても,レーザーによる冷却は確認されたが,クーロン結晶化には至らなかった.一度は-7乗Pa台であった新システムの到達真空度が-6乗Pa台まで悪化したことがその原因と考えられる.残留ガスとの衝突によりイオンが加熱されるため,一般に,真空度が悪いとクーロン結晶化は難しくなる.He吹き付け法ではリークは発見できなかったので,真空度悪化の原因は容器内の構造物からのガス放出と考えられる.実際,真空容器の一部は他装置からの流用品であるので,これが過去の実験で汚染されていた可能性が高いが,原因は判明していない.一方,数値計算による引き出しシミュレーションにおいては,有望な引き出し条件を見つけることに成功した.
本課題で製作した新システムと旧システムの相違はクーロン結晶を取り出した後の計測装置部分であり,トラップ部分はほぼ一緒である.従って,真空度を改善できればクーロン結晶化は可能であると考える.また,数値計算によりクーロン結晶からナノ・イオンビームを生成できる可能性が強く示唆されている.従って,本課題終了後も研究を継続する予定である.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] レーザー冷却を応用した40Ca+イオン蓄積法の開発2014

    • 著者名/発表者名
      岩井崇晃
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      東海大学湘南キャンパス
    • 年月日
      20140327-20140330

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公開日: 2015-05-28  

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