研究課題
本研究では、単原子から~10 nmまでの厳密に原子数制御した金属クラスターを、極めて小さいサイズ分布で酸化物表面へ担持する方法論の開発を目指している。また担持後のクラスターに関して、様々な表面科学分析手法(STM/AFM、偏光全反射蛍光XAFS法)を適用して原子レベルで構造評価し、反応活性との相関を明らかにすることを目的とする。本年度はまず、昨年度見出した、酸素プラズマ照射によるクラスター形成とサイズ制御について検討した。ここでは有機保護Au10クラスター([Au10(PPh3)8Cl]Cl)を用いた。この有機保護Au10クラスター活性化するには、有機保護基を除去して、金属表面を露出する必要があるが、通常よく用いられる熱分解では顕著な粒子凝集が起こると考えられるため、酸素プラズマを用いた。TiO2単結晶表面上に有機溶媒に溶解した有機保護Au10クラスターをスピンコート法により担持し、酸素プラズマを照射すると、有機保護基が酸化分解・除去されるとともに、ナノ粒子がTiO2表面上に比較的均一に分散されることを見出した。このときプラズマ照射時間の増加とともにAu表面は徐々に酸化された。さらにスピンコート時のクラスター担持量を変化させると(0.5層~2層)、1~10 nmの範囲で平均クラスターサイズを制御できることを見出した。予想とは異なり、担持量を増やすと粒子サイズが減少し、一方で粒子数密度が高くなった。粒径分布は十分狭いとは言えないため、今後プラズマ条件(酸素圧力、プラズマパワー、照射時間)を詳細に検討することで、より精密な粒径制御へと繋がる可能性がある。また反応活性評価のための超高真空触媒反応測定装置に関して、試料ホルダ周りの材質を変更し、加熱に伴う脱ガスを低減することで生成ガス検出の高感度化を図った。
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Physical Chemistry Chemical Physics
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