研究課題/領域番号 |
23550008
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
浜谷 望 お茶の水女子大学, 大学院人間文化創成科学研究科, 教授 (70156420)
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研究分担者 |
藤久 裕司 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測フロンティア研究部門, 主任研究員 (90357913)
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キーワード | 三ヨウ化ホウ素 / 四ヨウ化スズ / 四ヨウ化ゲルマニウム / 高圧結晶構造 / 高温高圧液体構造 / ラマン散乱実験 / 放射光X線回折実験 |
研究概要 |
本研究の研究対象物質のひとつである四ヨウ化スズSnI4とその類型分子性結晶四ヨウ化ゲルマニウムGeI4の高圧力下における構造研究を進めた。SnI4については圧力誘起液体-液体相転移に注目した放射光X線回折実験と高温高圧下の密度測定実験を行ない、この相転移が一次である可能性が高いことを確認した。また、1000K、60GPaを超える高温高圧力下での相転移と結晶構造について第一原理計算シミュレーションを行い、実験を支持する結果を得た。この結果は平成25年11月第54回高圧討論会で発表した。SnI4の高温高圧力下の挙動と相似であることが予想されるGeI4について、圧力誘起液体-液体相転移に注目した高温高圧放射光X線回折実験を集中的に進めた。この結果は平成25年9月および26年3月の日本物理学会で発表し、論文が26年5月7日付で受理された。 本研究のもう一つの研究目的は、分子性結晶三ヨウ化ホウ素BI3が高圧力下で示す相転移において、カナダの理論家グループが予測した、(1)ダイマーが形成されるのか、(2)高圧相の結晶構造、について、実験的な証拠を得ることであった。一昨年度末に大阪大学および岐阜大学と協力してラマン散乱実験を行った試料について引き続きKEK PF-ARにおいて放射光X線回折実験を行った。回折パターンの質がなかなか改善されなかったが、ラマン実験とX線回折実験の結果はダイマーの形成を強く示唆している。論文はほぼ完成し、投稿準備中である。 本科研費実施期間中に、上記二つのテーマについて十分有意義な結果が得られた。
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