研究課題
本年度はまとめの年であるので光化学系II(PS II)の応用研究の総括的な研究を行うとともに、平行して一般化スピン軌道(GSO)密度汎関数理論(DFT)によるMnクラスターの磁性と構造相関の研究そして線形応答関数解析に基づくQM/MM境界問題へのアプローチの磁性・および結合次数揺らぎへの拡張を行った。PS IIに関しては、(1-i)通常のDFT汎関数B3LYPを用いた水分解反応中心マンガン系の電子構造および構造最適化計算による反応機構の推定・提案、(1-ii)磁性をプローブとするマンガンクラスターの酸化数や構造などを検出する為の、マンガン複核錯体の磁気的相互作用および超微細構造定数(A値)の評価の為のDFT汎関数の選定・開発を行ってきた。一方、(ii-1)GSO-DFTによるマンガンクラスターの磁性と構造相関の研究としてはファンマン静電定理に基づき高スピン状態最適化の後にGSO-DFTの最安定スピン構造の研究を行い既存の最安定スピン状態と異なるノンコリニア磁性状態を指摘した。また(ii-2)線形応答関数解析に基づくQM/MM境界条件探索を磁性がある場合のスピン密度揺らぎへの拡張、および結合次数揺らぎへの拡張を行い境界設定アプローチとして完成させた。無論PSIIの反応機構は以前確定しておらず(1-i)の本研究期間中に行ったPS IIの反応機構の正誤が判明するのは何年も先になると思われるが、(1-ii)のマンガン錯体用の汎関数の選定開発や(ii-1),(ii-2)で開発した方法論は、世界的に見ても新しい成果であると言える。
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