生体内および人工合成分子系において、電子移動・エネルギー移動を初めとする長距離ダイナミクスがどのような要因に支配されるのかは極めて重要である。これまで長距離相互作用によるダイナミクスは直線的な架橋部をもつ分子系について精力的に研究がなされてきたが非直線的経路をもつ分子系についてはほとんど研究がなされていなかった。本研究では、ポルフィリン錯体を末端クロモフォアとして選び、架橋子で配向固定されるように連結した分子系において、長距離相互作用によるダイナミクスの経路結合依存性や経路形状依存性を、系統的実験により明らかにした。超交換機構における経路上の分子軌道の関与が重要であることを示した。
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