研究課題/領域番号 |
23550033
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研究機関 | 独立行政法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
野口 秀典 独立行政法人物質・材料研究機構, その他部局等, 研究員 (60374188)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 表面界面物性 / 和周波発生分光 / 生体分子 / 界面水 |
研究概要 |
生体反応の多くは,細胞膜表面などの界面での反応が重要な役割を果たしている。このような生体反応を理解するためには細胞表面・界面における分子(水、タンパク質、脂質など)の構造あるいは動的挙動を反応が進行しているその場(水溶液中)で、かつ高い空間・時間分解能で明らかにすることが重要となる。本研究では生体内の過程を分子レベルで高い空間分解能を付与した界面顕微分光法を新たに構築し、生体界面(細胞膜、脂質二分子膜)構造・反応、および機能発現に重要な役割を果たしていると言われている界面水の構造、ダイナミクスの追跡を行う。このような生体界面の構造・ダイナミクスを分子レベルで明らかにしていくことで、生命現象の解明に寄与することを目指すものである。 本年度は、細胞膜のモデル系でもある界面活性剤(ステアリン酸ナトリウム)の固体/溶液界面での吸着過程および構造を界面選択的な振動分光法のひとつである和周波発生分光法により調べた。その結果、溶液中でステアリン酸ナトリウムは固体表面(石英)上に高配向な単分子層を形成するが、溶液中の濃度がステアリン酸ナトリウムの臨界ミセル濃度を超えるとランダムな構造へ変化することが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、生体膜のモデル系として固体/溶液界面でのステアリン酸ナトリウム単分子膜の固体基板上への吸着過程の追跡を行い、和周波発生分光法で構造評価可能であることが確認できた。また、並行して、本来の目的である脂質二分子膜上での分子構造評価に向け、ベシクルフュージョン法による二分子膜形成を原子間力顕微鏡により確認している。よって、今後行う二分子膜上のでの分子構造評価を行う準備は出来ている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、二分子膜を固体基板上に形成し、二分子膜上での分子構造評価を行っていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度の研究費は、試薬、光学部品等の消耗品に使用する予定である。
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