生体反応の多くは,細胞膜表面などの界面での反応が重要な役割を果たしている。このような生体反応を理解するためには細胞表面・界面における分子(水、タンパク質、脂質など)の構造あるいは動的挙動を反応が進行しているその場(水溶液中)で、かつ高い空間・時間分解能で明らかにすることが重要となる。本研究では生体界面(細胞膜、脂質二分子膜)構造・反応、および機能発現に重要な役割を果たしていると言われている界面水の構造、ダイナミクスの追跡を行う。このような生体界面の構造・ダイナミクスを分子レベルで明らかにしていくことで、生命現象の解明に寄与することを目指す。本年度は、昨年度に引き続きトレハロースの脂質二分子膜の安定化に対する効果をトレハロース類似の糖類についても検討を行い、分子間相互作用および糖類のサイズ効果について、振動分光法および原子間力顕微鏡を用い調べた。
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