研究課題
本研究は、π電子系有機化合物を用いた3種類の有機電子デバイスである、有機薄膜トランジスタ、有機EL、有機薄膜太陽電池に共通するナノ界面空間の接合の問題を電荷移動型自己組織化単分子膜(SAMs: Self-assembled Monolayers)を用いての界面化学修飾により、解決しようとするものである。本研究では、研究期間内に下記の四項目について研究成果を得た。1.電荷移動型自己組織化単分子膜(SAMs)用分子群の設計、合成、構造解析を行うことを目的とし、電荷移動型SAMs分子群として電子供与(ドナー)型と電子受容(アクセプター)型の二種類のカテゴリーの双方とも複数種の分子群の設計を行い、有機合成の手法を活用し、高効率で精密合成を達成した。また、合成を達成した分子群については、核磁気共鳴、質量分析、単結晶X線構造解析等の手法を用い、その分子構造を確定した。2.電荷移動型自己組織化単分子膜(SAMs)の精密構造を制御することを目的とし、シリコン酸化膜基板に電荷移動型SAMsを溶液法により作製し、その膜構造を、接触角、斜入射X線構造解析、X線光電子分光等の手法を用い決定した。また、SAMsの形成段階についても前記手法により観測し、最適な膜形成条件を確立した。3.ナノ界面空間の接合問題の理論的考察を行うため、非経験的分子軌道計算により、分子の長軸方向の長さを算出し、斜入射X線構造解析結果から実験的に得られた単分子膜の厚さとの一致を確認した。さらに、理論的に得られる電子移動能と、電気化学的手法により実験的に得られる値との相関を検証した。4.電荷移動型自己組織化単分子膜(SAMs)修飾による有機電子デバイスの試作評価を目的とし、有機TFTについて、ガラス基板上に所定の電極を配置し、その上に電荷移動型SAMsを形成させ、所定のデバイス構造を作製し、その出力特性を評価した。
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