|
テトラヘドランとは4つのシクロプロパン環が縮環した高歪み炭化水素分子である。一方，シクロブタジエンはテトラヘドランの原子価異性体の一つであり，４π反芳香族性を示す歪みの大きな分子である。本研究では，ケイ素置換基により立体的かつ電子的に安定化された高歪み有機分子を合成し、光や熱等の外部刺激によって誘起される分子変換について検討した。その結果，テトラヘドランの光誘起原子価異性化では，定量的にシクロブタジエンが得られることが分かった。またクロスカップリング反応を利用することで，様々なテトラへドラン誘導体の合成に成功し，その誘導体の多くはシクロブタジエンへと変換できた．
|
