本研究は、ヘテロ環金属錯体の特性を活かした超分子システムを構築し、動的な機能の開発を行うものである。(1)新規ピリジン金属錯体を用いたアニオン選択的なイオン捕捉システムの開発研究では、芳香族アミンの導入により、アニオン種の選択性が変わり、これまでの四面体型より球形のアニオンに対する認識能が高くなった。(2)光エネルギーを活用する超分子システムの開発では、金属イオンとフラーレンを非共有結合的に連結させた錯体の合成に成功した。(3)不斉有機触媒の開発では、ピリジル基の導入に成功し、興味深い立体選択性が見られた。その他、結晶フォトクロミズム現象の研究において、固体物性化学に新たな展開をみた。
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