研究概要 |
C2H4およびCO雰囲気下MeOH溶液中,{BF4-, ClO4-あるいはPF6-}を対アニオンとするCu(I)イオンと6,6'-ジメチル-4,4'-ビピリミジン (Me2bpm)を反応させると,3つの二次元シート構造を有するCu(I)-Me2bpm/{C2H4, CO}付加体である[Cu4(Me2bpm)3(C2H4)3(MeCN)](BF4)4.0.33MeOH}n (1), {[Cu4(Me2bpm)3(C2H4)3(MeOH)0.33](ClO4)4}n (2), {[Cu4(Me2bpm)3(CO)3(MeCN)](PF6)4.0.33MeCN}n (3),および4核Cu(I)-Me2bpm/CO付加体である[Cu4(Me2bpm)4(CO)4](BF4)4.4MeOH (4)が生成した。錯体1, 2および3において注目すべきことは,[Cu3(Me2bpm)3]3+骨格を有するメタラカリックス[3]アレン構造がMeCNあるいはMeOHが配位した別のCu(I)イオンにより繋げられて小さなCu3空孔と大きなCu9空孔を有するキラルな二次元シート構造を形成され,小さなCu3空孔内には錯体1ではMeOHが錯体3ではMeCNが取り込まれ,さらに錯体1, 2および3の大きなCu9空孔の上方には1つの対アニオンがCu9空孔の下方には3つの対アニオンが機能的に取り込まれている。一方Cu(I)-Me2bpm/CO付加体4は,4つのBF4-アニオンのうちの2つが[Cu4(Me2bpm)4]骨格の上方および下方に取り込まれている。以上,昨年度の結果に加えて本年度はbpmの類縁配位子であるMe2bpmを用いて,二次元シート構造を有するCu(I)配位高分子ならびメタラマクロサイクリック-{C2H4, CO}付加体がアニオンおよび溶媒選択的に自己集積化できることを明らかにした。
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