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2011 年度 実施状況報告書

光機能性材料を検出部位とする新規超分子型アニオンセンサーの開発

研究課題

研究課題/領域番号 23550094
研究機関大阪教育大学

研究代表者

久保埜 公二  大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (00269531)

研究分担者 横井 邦彦  大阪教育大学, 教育学部, 教授 (30144554)
谷 敬太  大阪教育大学, 教育学部, 教授 (60207165)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード環境分析 / 超分子化学 / 分子認識 / アニオンセンサー / 光機能材料
研究概要

本研究は、光機能性材料を検出部位とし、これに超分子部位(水素結合部位・配位結合部位)を導入したセンサーを合成し、これとリン酸イオン、過塩素酸イオンなどのターゲットアニオンとの超分子錯体による定量分析法の開発を行うものである。平成23年度は、超分子型センサーの合成(光機能性試薬の合成と超分子アーキテクチャー化)、並びにこれらの物性評価を行った。センサーの合成は計画に従い、光機能性試薬としてはカルバゾロファン・トリフェニルアミン・ジュロリジンを選定し、これらに配位結合や水素結合が可能な超分子部位の導入を試みた。具体的には、カルバゾロファン系はトリアミンで2つのカルバゾールを環化した化合物を、トリフェニルアミン系は3つのフェニル基にピリジンを導入した化合物を、ジュロリジン系はチオウレア基を導入した化合物を、それぞれ予定通り合成した。これらの超分子アーキテクチャーのうち、カルバゾロファン系について各種アニオン、並びに金属イオンとの相互作用を調べるため、吸収スペクトル並びに蛍光スペクトル測定を行った。このうちジイミノカルバゾロファンを配位子とする亜鉛(II)錯体において、溶液中に塩化物イオン共存すると発光強度が増大することが確認された。その一方で、上記の塩化物イオンが共存する錯体溶液に、さらにリン酸二水素イオンを添加すると、発光極大波長の短波長シフトと発光強度の著しい減少が起こることを見出した。この現象は、亜鉛(II)錯体とリン酸二水素イオンとの間で超分子を形成しているものと考えることができる。さらに、トリフェニルアミン系並びにジュロリジン系について,吸収・蛍光スペクトル、分子構造、酸化還元電位等に関するデータも収集した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計画通りに光機能性試薬の合成と超分子アーキテクチャー化を行い、これらのセンサーについて,溶液の吸収スペクトル並びに蛍光スペクトルの測定やX線構造解析などを行い,センサーとしての評価を行うことができたため、おおむね順調に進展しているといえる。

今後の研究の推進方策

計画に従い、平成23年度に得られた超分子型センサーと各ターゲットアニオンとの超分子錯体を合成し,その生成確認とアニオンセンサーとしての評価を行う。なお、得られた結果をセンサーの設計にフィードバックすることで、より高性能な超分子型センサーの設計・合成を行う予定である。さらに、良好な成果が得られた超分子錯体を用いて、ターゲットアニオンの微量定量法の構築を行う。

次年度の研究費の使用計画

平成24年度は研究費を、合成用試薬・溶媒などの物品費、学会発表のための旅費、データ整理に対する謝金などに使用する予定である。なお、平成23年度の繰越金342,265円は、スペクトル測定用の溶媒やセルの購入を次年度に行うこととしたことによる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 1,2-Bis[5-(9-ethyl-9H-carbazol-3-yl)-2-methylthiophen-3-yl]-3,3,4,4,5,5- hexafluorocyclopentene2011

    • 著者名/発表者名
      Koji Kubono
    • 雑誌名

      Acta Crystallographica

      巻: E67 ページ: o2194

    • DOI

      doi:10.1107/S1600536811029539

    • 査読あり
  • [学会発表] ジイミノカルバゾロファン型イオンセンサーの蛍光特性2011

    • 著者名/発表者名
      久保埜 公二
    • 学会等名
      日本分析化学会第60年会
    • 発表場所
      名古屋大学東山キャンパス
    • 年月日
      2011年9月15日

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公開日: 2013-07-10  

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