研究課題/領域番号 |
23550123
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
川面 基 鳥取大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50360243)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | パラジウム / フッ素 / エナンチオ選択性 / アミノ化 / アリルアミン / 不斉合成 / カチオン性 / 銀塩 |
研究概要 |
今年度は,予備実験で得られた反応生成物のエナンチオ選択性の向上を目指した.具体的には,トリフルオロメチル基を置換基として有する1,3-非対称アリルアセテートから,光学活性名パラジウム触媒を用いてアリル位アミノ化反応を行い,定量的かつ90%以上のエナンチオ選択性実現を目指した.その結果,光学活性なアリルアミンを最高93%のエナンチオマー過剰率および86%収率で得る事に成功した.また,その過程で計画通りに銀塩の添加などを試み,それらがエナンチオ選択性の発現に極めて効果的である事を確認し,特にAgBF4が最も良好な結果を与えた.この事は,当初の予定通りカチオン性パラジウム錯体が重要な鍵中間体である事確認しただけではなく,今後の更なる収率およびエナンチオマー過剰率の向上,更には反応機構の研究において重要な情報を得る事に成功した事を意味する.また,当初は環状2級アミンを中心に反応検討を行ったが,例えば鎖状の2級アミンであるN-benzylmethylamineなどでも良好な結果(79%収率,90% ee)が得られる事がわかり,今後の反応基質適用範囲の拡大に関する重要な知見を得る事ができた.更に,予備実験段階では1級アミンを用いた場合,反応基質の脱アセチル化による副反応が問題であったが,それら副反応は反応基質の脱離基を変更することである程度防げる事も確認した.この結果は,今後の反応を検討する際に,用いるアミンに適した脱離基を選択する事で望みの光学活性アリル位アミノ化体を得る事が充分に可能である事を意味している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度の研究は申請書に記載した内容に沿って順調に進展している.具体的には当初,初年度に予定したら収率およびエナンチオ選択性の向上を概ね達成できた.また,添加物によるエナンチオ選択性と収率の変化を確認できた.
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今後の研究の推進方策 |
計画はほぼ予定通り進んでおり,当初の計画を今後も継続して実施する.特に今後は反応機構の検討に着手するため,現在までに得られた結果のファインチューニングを行いつつ,反応実施例を増やし,反応機構研究の実施に適した反応系の探索と構築を行う予定である.
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度の研究費の殆どは通常の有機合成化学分野における消耗品の使用に充てる予定である.具体的には,主として有機合成試薬,有機金属試薬,有機溶媒,シリカゲルなどに使用する予定である.
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