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2012 年度 実施状況報告書

Pd触媒の新しい立体化学制御による光学活性含フッ素アリルアミンの合成

研究課題

研究課題/領域番号 23550123
研究機関日本大学

研究代表者

川面 基  日本大学, 文理学部, 教授 (50360243)

キーワードパラジウム触媒 / フッ素 / トリフルオロメチル基 / エナンチオ選択性 / アリルアミン / 銀塩 / 位置選択性 / アミノ化
研究概要

昨年度までに得られた知見を基にして,2級あるいは1級アミンに対してそれぞれ適切な脱離基を導入した含フッ素アリルアミンでの不斉アリル位アミノ化反応を実施し,ラセミ体の反応基質から位置選択的に最高93% eeのエナンチオマー過剰率で光学活性含フッ素アリルアミンを90%以上の収率で得る事に成功した.具体的には昨年度から継続して行った触媒条件最適化によって,カチオン性パラジウム触媒前駆体にBINAP配位子を組み込んだパラジウム触媒が本研究目的に適している事を確認した.また,その際には良好な収率およびエナンチオ選択性を実現するために銀塩の添加が効果的である事を新たに見いだし,特にAgPF6が最も良い効果を示す事も確認できた.以上の最適触媒反応条件下において,ラセミ体含フッ素アリルエステルとしては約10種類での反応を実施すると共に,求核剤であるアミンとしても約10種類の環状および鎖状の2級アミンと3種類の1級アミンでの反応を実施し良好な結果を得る事ができた.更に,次年度に予定して反応機構および反応経路に関する研究の予備実験として,反応基質であるアリルエステルの幾何異性体としてE体およびZ体による反応の比較検討も行った.その結果,いずれの反応基質からもほぼ同程度の結果が得られることがわかった.この事は本反応における反応中間体して想定されるp-アリルパラジウム錯体において幾つかの異性体が存在し,それらの間に平衡が存在している事を示唆している.
以上,本年度は当初の目的通りに様々な反応基質および求核剤との間での反応を実現させる事に成功した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度の研究も申請書に記載した内容に沿って順調に進展している.
具体的には様々な反応基質(アリルエステル)と求核剤(アミン)との組み合わせにおける不斉アリル位アミノ化反応を実施し,光学活性名含フッ素アリルアミンを良好な収率およびエナンチオ選択性で得る事に成功した.また,翌年度の反応機構解明へと繋がる知見を得る事にも成功した.

今後の研究の推進方策

研究は順調に進んでおり,既に充分な数の反応例を実施する事ができた.その結果に基づいて,次年度は当初の計画通り反応機構解明に対する研究に注力する予定である.具体的には反応中間体の単離構造決定やNMRによる観測を試みる.更に光学活性な反応基質による反応も行い,その際のエナンチオ選択性の変化なども調査する,

次年度の研究費の使用計画

該当なし

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Regioselective Synthesis of Trifluoromethyl Group Containing Allylic Amines using Palladium-catalyzed Allylic Amination Pathway2013

    • 著者名/発表者名
      Hirakawa, T.; Kawatsura, M.; Itoh, T.
    • 雑誌名

      J. Fluorine Chem.

      巻: 152 ページ: 62-69

    • DOI

      10.1016/j.jfluchem.2013.03.008

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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