動的軸性キラルなビフェニルユニットと分子認識部位として作用するクラウンエーテルの両方を主鎖骨格に有するπ共役高分子を合成し、ビフェニルの動的軸性キラリティーをキラルな非共有結合相互作用を介して制御することにより、一方向巻きのらせん構造を有するπ共役らせん高分子の合成を行った。その結果、ビフェニルユニットに誘起されたキラリティーが記憶として保持されるため、溶媒の種類等の外部刺激に応答して一方向巻きのらせん構造とランダム構造に可逆的な変化が可能な「らせん構造の記憶」の現象を示すπ共役らせん高分子の創製に初めて成功した。
|