研究課題
1)準弾性中性子散乱法を用いて、非常に高い気体透過性を示すポリメチルインダン部位を有するポリ(ジフェニルアセチレン)誘導体の局所運動性と気体透過性との関係について検討した。この研究により、ポリメチルインダン部位を有するポリ(ジフェニルアセチレン)誘導体の高い気体透過性が数psの時間スケールの局所運動と強く相関することが明らかになった。2)置換ポリアセチレンの中で最も気体をよく通すポリマーはポリ(1-トリメチルシリル-1-プロピン)(PTMSP)の気体透過性は時間とともに低下することが知られているが、その詳細は明らかでない。本研究では、(1)密封下での保存、(2)空気中での保存、(3)真空乾燥器内での保存の3条件下でPTMSP膜の気体透過性(PO2およびPN2)の経時変化を検討した。その結果、(1)<(2)<(3)の順に時間とともに気体透過性の低下の度合が大きくなった。このことは、PTMSP膜の気体透過性は、緩和によるミクロボイドの減少と有機蒸気の吸着の両方が原因となって時間とともに低下することを示している。3)ジメトキシ基を有するポリ(ジフェニルアセチレン)の金属との相互作用について検討した。ポリマー溶液にTaCl5やAlCl3などを少量加えるとゲル化した。このゲルに微量のメタノールを添加するとゲルは再び溶液へと変化した。ポリマー側鎖のジメトキシベンゼンが金属に配位し、金属を介して架橋していることが示唆された。4)イミダゾリウム塩を含むポリ(ジフェニルアセチレン)を合成し、対アニオンをBr-からCF3COO-や(CF3SO2)2N-に変換し、ポリマー膜の気体透過性を検討した。その結果、対アニオンがBr-<CF3COO-<(CF3SO2)N-の順に気体透過率が増加した。対アニオンのサイズが大きくなるほどポリマー鎖間のパッキングを抑制することを明らかにした。
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