1.SnO2-In2O3系の大きな感度発現について、検知メカニズムの観点からの検討を行った。我々が見いだした手法であるTPRと抵抗測定 を組み合わせた測定を行った。その結果、複合材料でCuに由来する還元温度が低下するとともにSnO2由来の新たな還元ピークの増加が 認められることからSnO2の微粒子状態にCuOが高分散担持されたことによる反応場の増加が感度発現に重要であることがわかった。ま た購入した電気化学測定機を用いたインピーダンス測定による界面抵抗の検討から、バルク抵抗全体の変化が認められ我々の 提案しているセンサ感度発現のメカニズムを実証できた。 2.高感度化および応答性の改善のためにCu以外の貴金属の効果について検討した。その結果、Rh、Pt、Pdを1wt%担持したSnO2が室温付 近で還元雰囲気中の微量COに応答および良好な応答性を示すことを新たに見いだした。 3.CuO担持酸化スズ材料の高感度化のためのベース材料の候補として、SnO2-In2O3を見いだしたが、安定性の面で不十分なこ とがわかった。そこで、SnO2-ZnO系について組成比の検討を行った。その結果、Sn:Zn=5:5の組成において1辺が約1μmの立方体状の形状の集合体であることがわかった。 4.最終年度では、前年度までに見いだしたSnO2-ZnO系の形状制御した粒子の調製条件の検討および触媒活性などの特性を評価しセンサ材料としての可能性を検討し、新たなセンサ材料として有望であることを示した。
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