研究課題/領域番号 |
23550163
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
松本 睦良 東京理科大学, 基礎工学部, 教授 (00358053)
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キーワード | LB膜 / 相分離 / ナノパターン / 線張力 / 双極子-双極子相互作用 / ポリマーブラシ |
研究概要 |
本年度は、(i)二次元ナノパターン精密制御手法の開発、(ii)二次元ナノパターンを有する鋳型構造の精密制御、及び(iii)鋳型上でのポリマーブラシ作製を行った。(i)において、相分離混合ラングミュア膜及びラングミュア-ブロジェット(LB)膜を用いた。これらの膜中に形成するドメインのサイズと形状は、線張力と双極子-双極子相互作用の兼ね合いで決定される。線張力が優勢の場合はマイクロメートルスケールの円盤ドメインが形成する。一方、双極子-双極子相互作用の寄与が大きくなると、細長いand/or小さいドメイン形成が優勢となる。このことを利用して相分離構造の制御を行った。長鎖脂肪酸と両親媒性シランカップリング剤の相分離混合LB膜中に形成するドメインが、長鎖脂肪酸のアルキル基の長さの変化とともに系統的に変化した。このことは長鎖脂肪酸のアルキル基が長くなると線張力が増加することを考慮することにより説明が可能である。また(ii)において、ナノワイヤー型相分離構造を有するLB膜を転写し作製した鋳型を基板として、その上に、ナノワイヤー型ドメインの配列方向を最初とは垂直方向になるように鋳型をセットしてLB膜を転写することにより、ナノドットアレイのパターンを有する鋳型を作製することが可能となった。さらに(iii)において、マイクロメートルスケールの円盤状ドメインのパターンを有する鋳型を作製し、その鋳型に自己組織化を用いて重合開始基を固定した。その重合開始基から、原子移動ラジカル重合により、PNIPAAmのパターン化したポリマーブラシの作製を行い、原子間力顕微鏡を用いてその構造を明らかにした。さらにこのポリマーブラシ上での水の接触角の温度依存性を明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年度、24年度の研究計画通り、研究は順調に進捗しているため。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに得られた研究成果を基に、平成25年度はさらに研究を発展させ、当初の研究目的を達成する。具体的には、(i) 二次元ナノパターンを有する鋳型構造の精密制御、(ii)ナノ機能材料創製を行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度に本年度の未使用予算額を使用する予定である。これは他の予算との合算使用ができなかったために残ったものである。次年度はこの額と次年度の支払い請求額の内、直接経費80万円を併せて、物品費の消耗品として使用予定である。消耗品の内容は、試薬、ガラス器具、カンチレバーなどである。なお次年度に繰り越す予算額が多くないため、研究計画に変更はない。
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