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2013 年度 実績報告書

共有結合を介した有機-無機界面の構築

研究課題

研究課題/領域番号 23550165
研究機関同志社大学

研究代表者

水谷 義  同志社大学, 理工学部, 教授 (40229696)

キーワード有機―無機複合化 / アルコール / シリカ / ポルフィリン / 加水分解 / 縮合反応
研究概要

シリケートガラスおよびシリカゲルの表面上のシラノール基とポルフィリン発色団をもつアルコールとの熱的な縮合反応による有機-無機複合化について検討した。いろいろな構造をもつポルフィリンアルコールを9種類合成し、シリケートガラスにスピンコートし120~200℃で加熱処理することで、ポルフィリンアルコールをシリケートガラス上に結合させた。シリカ上に結合したポルフィリンアルコールの酸および塩基触媒による加水分解反応の速度を調べることで、複合体の安定性とアルコールの構造との関係を系統的に調べたところ、(1)ビスホモトリス構造をもつアルコールが加水分解に対して安定であること、(2)長鎖アルキル鎖をもつアルコールが、加水分解に対して安定であること、(3)3級アルコールは、塩基触媒の加水分解に対して1級アルコールに比べて20倍安定であることを明らかにした。長鎖アルキル基をもつポルフィリンアルコールを結合させたガラスは接触角測定から、疎水的であり、水の反応点への浸入を阻害しているために、加水分解が起こりにくいと考えられる。また、O-18の水を用いた加水分解反応を検討することによって、(1)アルコールとシリカは共有結合で結合していること、(2)1級アルコール、3級アルコールの塩基加水分解、1級アルコールの酸加水分解は、Si-O結合が開裂するのに対して、3級アルコールの酸加水分解ではC-O結合が開裂することが明らかになった。したがって、塩基加水分解に対して3級アルコールが安定であるのは、3級アルコールの立体障害によって水のケイ素への求核攻撃が阻害されているためであると考えられる。また、O-18でラベル化したポルフィリンアルコールとシリケートガラスとの反応を利用し、ポルフィリンアルコールとシリケートガラスとの反応は、1級、3級アルコールともアルコールの酸素がケイ素を求核攻撃する反応であることを明らかにした。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Tris(3-hydroxypropyl)methyl as a stable linker for porphyrin monolayer on silicate glass2014

    • 著者名/発表者名
      Nao Furuta and Tadashi Mizutani
    • 雑誌名

      Thin Solid Films

      巻: 556 ページ: 174-185

  • [雑誌論文] Kinetics and Mechanisms of Hydrolysis of Tetraphenylporphyrins Tethered to Silicate Glass via a Primary or Tertiary Alcohol Linker2014

    • 著者名/発表者名
      Nao Furuta, Takaaki Yagi, and Tadashi Mizutani
    • 雑誌名

      Tetrahedron

      巻: 70 ページ: 4336-4342

  • [学会発表] シリケートガラス及びシリカゲル表面の1級及び3級ヒドロキシポルフィリン単分子膜の形成反応及び加溶媒分解反応挙動の比較2014

    • 著者名/発表者名
      古田尚・矢木孝明・水谷義
    • 学会等名
      日本化学会第94春季年会
    • 発表場所
      名古屋大学
    • 年月日
      20140327-20140330
  • [学会発表] テトラピロール類色素の合成とバイオ・エレクトロニクスへ応用2014

    • 著者名/発表者名
      水谷 義
    • 学会等名
      第5回「けいはんなのトップシーズを聴く会」 ~同志社大学のトップシーズ紹介~
    • 発表場所
      神戸国際会館セミナーハウス
    • 年月日
      20140130-20140130
  • [学会発表] α-ブロモ-p-トリルポルフィリンによるシリケートガラス表面修飾2013

    • 著者名/発表者名
      藤本隆宏・古田 尚・水谷 義
    • 学会等名
      第3回CSJ化学フェスタ2013
    • 発表場所
      タワーホール船堀
    • 年月日
      20131021-23
  • [学会発表] ポルフィリンの酸化反応と光・電子機能材料への応用2013

    • 著者名/発表者名
      水谷義
    • 学会等名
      岡山大学自然科学研究科講演会
    • 年月日
      2013-11-08

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公開日: 2015-05-28  

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