研究成果の概要 |
メチルセルロース(MS)は, セルロースの水酸基の一部をメトキシ基に置換することにより, 水酸基間の水素結合を弱め, 水に可溶化させたものである. MS水溶液は,室温では透明な液体であるが加熱することで相分離を起こす下部臨界完溶型(LCST型)の挙動を示す. 適度なメトキシ基の導入によりMSは水に可溶化するが, 過度のメトキシ基の導入は疎水性を増大させ可溶化を損なうため, LCST点の制御には限界があった. 本研究では, 有機塩の添加によりLCST点を大幅に上昇させることに成功した. また, 昇温に伴いLCST点よりも低温側で生じる緩慢な透過光強度の低下の原因を動的光散乱法により解明した.
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