タンパク質の凝集をふせぐ低分子の溶液添加剤が開発されてきた。本研究では、タンパク質凝集をふせぐ高分子アディティブを開発し、その機構を解明することを目的とした。ポリエチレングリコールは低分子のアルギニンとは異なり、高温での凝集抑制能が高く、アルギニンと併用すると加算的な効果を示すことがわかった。カチオン性高分子電解質のポリアリルアミンと、アニオン性高分子電解質のポリアクリル酸は、荷電相補的にタンパク質に結合して安定化することがわかった。これらの高分子アディティブは大きなタンパク質に対して凝集させる性質があったが、PEG化ポリマーにはより高い凝集をふせぐ働きがあった。
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