研究課題
本年度は2つの方向について研究を行った。緑色蛍光蛋白質α-チオエステル体へ、一つは脂質誘導体の導入、もう一つは脂肪にアフィニティをもつペプチドの半合成による導入によってC末端修飾蛋白質を作出することであった。より細胞へのアフィニティが強いと考えられる脂質修飾体作出を目指してファチジルエタノール(PE)体の新規調製をおこない、リポソームを利用して、合成混合物から修飾体を抽出可能であることは前年度に示した。その結果、PEのジミリストイル体ではジパルミトイル体に比べて透析膜への吸着が著しく増大し、また、凝集能も増大し溶液として回収することが困難であることが判明した。透析膜を利用した縮合生成物抽出法への展開は未着手である。一方、ペプチドを導入した系ではSDS-PAGE上で縮合生成物を確認でき、透析膜への結合も見られなかったがリポソームへの吸着は弱く、本申請研究の目的とは合致しないことが明らかとなった。また、上記のような縮合反応基を持つ脂質誘導体を導入したリポソームの調製をおこなった。リポソームへのこれら脂質誘導体の導入をTLC分析と脂質誘導体の蛍光標識によって確認できたが、緑色蛍光蛋白質αチオエステル体との縮合は確認できなかった。これらを踏まえ、フォスファチジルコリン含有リポソームの利用においては縮合反応基と脂質の間に親水性のリンカーを導入したアナログを合成し、リポソーム中での脂質誘導体と緑色蛍光蛋白質αチオエステル体との縮合反応の効率について調査を行っている。
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