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2012 年度 実施状況報告書

DNAの精密分子認識能を用いた論理演算システム

研究課題

研究課題/領域番号 23550197
研究機関北里大学

研究代表者

野島 高彦  北里大学, 一般教育部, 講師 (00291930)

キーワードDNA / 論理演算 / PCR / プライマー
研究概要

分子間相互作用に基づく論理演算システムを開発するために,構成要素として生体高分子化合物を用いたシステムの可能性を探ることが本研究課題の目的である.汎用的な遺伝子増幅反応として用いられているポリメラーゼ連鎖反応(PCR)において,2種類のプライマーを化学的な入力信号に,増幅産物の生成を出力信号ととらえて,両者の関連性にバリエーションを持たせる試みに取り組み続けている.研究開始から初期の段階までに,基本的な論理演算パターンであるAND,OR,NOTの構成には成功しており,続いて,万能演算ゲートとも呼ばれるNAND型演算の実現に取り組んだ.この論理判断を分子レベルで達成するためには,入力信号がゼロの際にデフォルトでDNA増幅反応が進行するが,2種類の入力が揃った場合に限ってこの進行が停止する仕組みを構成する必要があった.そこで,コードする翻訳領域は同一配列だが,その前後に配置されるプライマー会合領域の配列の異なる2種類の鋳型DNA分子を当分子数共存させる構成とすることにより,NAND型演算の問題解決を行った.今年度は基礎的検討までが完了している論理演算パターンに関して,増幅効率の最適化と,バックグラウンドノイズの低減を達成した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

テンプレートDNAの分子デザインを種々試みることによって,論理演算パターンにバリエーションを持たせることに成功している.反応の最適化も進んでいる.研究成果は学会発表および査読審査つき学術論文誌にて報告するために準備中である.

今後の研究の推進方策

システムの高度化をめざした最適化を進めて行く.そのために,プライマーDNAの配列最適化や増幅反応,翻訳反応の最適化を継続して行う.テンプレートDNAの構成に関しても検討の余地が残されている.これとあわせて論理判断システムのパッケージ化にとりくみつつ,分子レベルの情報処理システムとしての発展を試みる.

次年度の研究費の使用計画

生体高分子を構成要素とする論理判断システムの構築に必要となる耐熱性DNAポリメラーゼ,鋳型DNA,プライマーDNA,ディスポーザブルプラスチック器具,緩衝溶液などの消耗品を購入する.

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公開日: 2014-07-24  

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