研究課題/領域番号 |
23550200
|
研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
富崎 欣也 龍谷大学, 理工学部, 教授 (90397026)
|
キーワード | ペプチド / フェリチン / 自己集合化 |
研究概要 |
前年度(平成23年度)は、アポフェリチンに対して酢酸亜鉛およびチオウレアを反応させることで、アポフェリチン内部空孔にZnSe粒子を内包する再構築ZnSe-フェリチンを合成し、選択的な分子間相互作用が可能な合成ハンドルであるビオチンを表面に結合したビオチン化再構築ZnSe-フェリチンの合成に成功した。また、9アミノ酸残基からなる短鎖ペプチドを設計合成し、水溶液中でβシート構造を基体とするナノファイバー構造へと自己集合化することを見出した。本年度(平成24年度)は、これらの結果を踏まえて、ナノファイバーに沿った再構築ZnSe-フェリチン粒子の配列化を試みた。 まず、ナノファイバーを形成する短鎖ペプチドのN末端にビオチン基を結合し、2種のペプチド共存下でナのファイバー形成を行ったところ、TEM観察により予想通りナノファイバーを形成することがわかった。これに抗ビオチン抗体を作用させて、次いでオチン化再構築ZnSe-フェリチンと抗原ー抗体反応させることで、ナノファイバーに沿った再構築ZnSe-フェリチン粒子の配列化を行った。TEM観察により、低密度ではあるがナノファイバー上への再構築ZnSe-フェリチン粒子の選択的結合が確認できた。 上記結果を受けて、次年度(平成25年度)は、より高密度にペプチドナノファイバーに沿ったフェリチン粒子の配列化および円状ペプチド集合体への配列化についても検討する。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまで、自己集合化能をもつペプチドの設計、合成、合成ハンドルをもつ金属粒子内包再構築フェリチンの合成技術を基盤として、ペプチドが自己集合化したナノファイバー構造に沿った再構築ZnSe-フェリチン粒子の配列化を検討してきた。これは、研究開発項目①~⑥のうち①~④について実施したことになる。次年度は、実施内容⑤~⑥を残すのみであり、概ね順調に進展していると考えれる。
|
今後の研究の推進方策 |
ナノファイバーを形成するペプチドのみならず円状集合体を形成するペプチドの設計、合成を行う。また、集合体に沿った高密度なフェリチン粒子の配列化を達成するために、抗ビオチン抗体の他にアビジン等の特異的相互作用の利用を検討する。
|
次年度の研究費の使用計画 |
研究に必要な大型機器および少額備品は既設であるので、研究遂行のための消耗品費および出張旅費を必要とする。
|