研究課題
二酸化チタンと二酸化ケイ素の前駆体をそれぞれチタンテトライソプロポキシドとシリコンテトラエトキシドを原料として、水酸化テトラメチルアンモニウムを用いて合成し、これらの前駆体溶液をチタニアとシリカの体積比が所定の割合になるように混合した。これらの溶液に種々の基板を浸しディップ法によってコーティング後、700℃空気中で加熱して複合薄膜を作製した。これを低酸素分圧下または水素-窒素混合雰囲気かで熱処理してチタニアのみの還元とTi3O5の合成を試みた。4価のチタンイオンは熱力学的には1000℃で10E-23、1200℃では10E-17気圧の酸素分圧で3価のチタンイオンまで還元されることが予測されたが、1200℃、10E-22気圧の酸素分圧で168h(1週間)熱処理しても4価のチタンイオンのままであった。さらに強く還元するために水素-窒素混合ガスを用いた場合には1200℃でTi3O5の生成が確認できた。しかしながら生成したTi3O5は大きく粒子成長してしまっており、粒径は約数百nmであった。熱力学的には4価のチタンイオンを3価まで還元できる十分な低酸素分圧中で処理したがTi3O5が得られなかった理由としては、生成した3価のチタンイオンを含む酸化物の蒸気圧が高く熱処理中に気化してしまったことが考えられた。実際に薄膜の熱処理時に膜の半分をサファイア基板等で覆うと覆った場所とそれ以外では還元後の色、結晶化したクリストバライトの粒径に差が生じ、これは覆っていない箇所のチタン酸化物の気化によって説明できた。さらに、気化せず速度論的に残ったチタンイオンは金属にまで還元されβチタンの回折線も認められた。
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