研究課題/領域番号 |
23550205
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
小林 健吉郎 静岡大学, 工学部, 教授 (20153603)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 非晶質 / pn制御 / ドーピング |
研究概要 |
非晶質InGaZnO4薄膜のp型化を窒化アルミニウムAlNをドープすることより試みた。また、h-BNをMg-Oクラスターをドープすることによりn型化させることを検討した。RFマグネトロンスパッタリング法を用いて薄膜作製を行った。スパッタに用いるターゲットとしてAlN粉体を混合させたIGZO粉体ターゲットを用いた。また、MgOを添加したh-BN粉体をターゲットとして使用した。 IGZO薄膜のXRDより膜の構造はアモルファスであることを確認した。またEDSの結果、アンドープIGZO薄膜の組成は約In:Ga:Zn=1:1:1であった。膜の表面形態を、AFMを用いて調査したところ、低真空(2.0×10-2 Torr)で作製した膜は比較的表面が粗く、高真空(5×10-3 Torr)で作製した膜はラフネスが2 nm程度と平坦な膜であった。堆積真空1.5×10-2 Torrの条件では、酸素濃度0.3 %の雰囲気で抵抗300 MΩのp型IGZO薄膜を得た。また、n型IGZO薄膜とp型IGZO薄膜を用いてデバイスを作製し、IV測定を行ったところ、良好な整流性を得た。 非晶質h-BNは、N2雰囲気では酸素を添加することは出来なかったが、Ar雰囲気ではOならびにMg-O添加が可能となった。Mg-O添加のh-BN薄膜は、低い電界で電子放出を示し、更にFNプロットから仕事関数が小さくなっていることが確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Al-Nクラスターを添加したInGaZnO4薄膜をp型化する最適な条件を種々検討した結果、1-2x10-2Torr, 0.3-035%の酸素分圧、高周波出力70W,の条件でp型が得られることが明らかになった。これは、当初の目標の80%程度に相当している。一方、非晶質h-BN薄膜のn型化については、電子線放出特性から電子ドーピングが実現できていることが確認でき、初年度の目標は十分に達成することができた。
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今後の研究の推進方策 |
p型InGaZnO4の表面形態を改善するために、より高い真空下でかつ低い高周波出力で薄膜堆積を行う必要がある。この目的を実行するため、従来ターゲットとしてInGaZnO4粉末とAlN粉末を混合したものを用いていたが、独立のターゲットに装置を改良する。 h-BN薄膜はn型化は見られたが、劇的な抵抗の低下は確認できなかった。この原因として不純物炭素が推測される。そこで、薄膜堆積プロセスでの炭素の混入を防ぐため、排気系と基板加熱系に改良を加えて、低抵抗のn型非晶質h-BN薄膜の作製を目指す。
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次年度の研究費の使用計画 |
新たなターゲットシステムの構築のための真空部品を購入する。また、炭素の汚染を極力下げるため、排気系の油回転ポンプをスクロールポンプに変更する。ターゲット粉体としての高純度試薬、Siや石英などの基板を購入する。 旅費は、研究成果を海外および国内で発表するために使用する。
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