研究課題
H25年度実施:① p型、n型、両極性を示す有機半導体結晶の屈折率分散を評価した。これらの結晶は光励起レーザー発振を示し、電流注入発振レーザーの媒体へ利用できる。② レーザー発振に不可欠な光共振器として、波型の溝をもつ回折格子を光反応や蒸着重合する樹脂で作製した。光学系の改善、薬品の厳選により、従来約50 nm程度の格子溝を倍以上に深めた。回折格子に有機結晶を貼付し、それを光励起すると、半値全幅10 nm以下の狭線化発光を得た。③ 電子を多く含む酸化物半導体をp型の有機結晶と積層した素子を試作した。結晶をマスクに酸化物半導体をエッチングし、理想的なp-nハイブリッド構造を構築した。これを用いた発光トランジスタで電流注入発光を実現した。研究期間全体:① 素子の電流と発光の時間変化を詳細に観測するシステムを構築した。このシステムは、数kHz以上の交流電圧印加時の時間変化の観測を可能にした。② 様々なp型とn型の有機材料を組合せ、薄膜発光デバイスを作製した。発光輝度や外部量子効率を比較し、最適な組み合わせを決定した。電極金属を有機半導体で修飾し、電荷注入効率や発光輝度を向上させた。③ 2種類の有機半導体でハイブリッド結晶を成長した。この結晶は、両者単独の結晶の中間の発光色を示し、結晶構造や移動度の値は片方の結晶に近い。一方の半導体分子が他方の結晶中に分散した構造をもつことを示した。④ 回折格子をもつ有機結晶発光トランジスタで、半値全幅が3 nm程の狭線化発光を観測した。⑤ ゲート電極を二つもつ発光トランジスタを作製した。両方のゲート電極を同時に用いた場合、片側のゲート電極のみを用いたのに比べ、同じ電圧印加条件で約2倍のドレイン電流が流れ、半分のゲート電圧の大きさで同等以上の強さの電流励起発光が観測された。
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すべて 雑誌論文 (10件) (うち査読あり 10件) 学会発表 (17件) (うち招待講演 1件)
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