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2011 年度 実施状況報告書

フルオロアルキル鎖を特徴とするフラーレンGeminiによる導電性薄膜の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23550216
研究機関京都工芸繊維大学

研究代表者

川瀬 徳三  京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 教授 (60152956)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワードフラーレン / アジリジノフラーレン / フルオロアルキル鎖 / Gemini / 単分子膜
研究概要

フラーレンC60のπ-π相互作用に基づく電気伝導特性を有機太陽電池などに応用展開するには,C60分子が配列制御され,均一かつ凹凸のない平面を形成した単分子膜を実現することは重要である。本研究では,フルオロアルキル鎖の剛直性に加え,2鎖多親水基構造による疎水鎖の配向・配列制御を活用した,フラーレン誘導体を2鎖型で有するGemini型界面材料を合成し,その単分子膜形成能について界面化学ならびに表面機能の立場から物性測定・機能評価を行うことを主眼としている。 平成23年度は,まずアジリジノフラーレンの合成ルートの開発を中心に検討し,(1)剛直なフルオロアルキル鎖[-(CF2)10-]を疎水性スペーサー鎖とするアジリジノフラーレンの合成ルートを開発した。また,(2)メチレン鎖[-(CH2)1~10-]を疎水性スペーサー鎖とする2鎖型構造(Gemini型)のビスアジリジノフラーレンの合成に成功した。これらの単分子膜形成挙動(特に極限面積からフラーレン分子の配列)についてπ-A測定から検討し,フルオロアルキル鎖の剛直性ならびに2鎖型構造の有効性を明らかにすることができている。さらに,申請時の計画にはなかった,フルオロアルキル基3鎖型界面材料をマトリクス分子とするC60単分子膜の検討から,これまでにないC60単独の単分子膜形成法を見出したと思われる成果を得た。π-A測定に加え、展開単分子膜形成における膜の均一性などについて,ブリュースター角顕微鏡観察により解析を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画通り、フルオロアルキル鎖[-(CF2)10-]を疎水性スペーサー鎖とする1鎖型アジリジノフラーレンならびにフラーレン誘導体を2鎖型で有するGemini型界面材料を合成することに成功した。また、その単分子膜形成能についても着手することができたことから、研究計画は順調に進展しているが、アジリジノフラーレン誘導体の合成において反応率及び収率については改良の余地が残されている。

今後の研究の推進方策

平成24年度以降も,Gemini型アジリジノフラーレン界面材料の開発を、合成ルートの改良などの再検討も含め継続する。さらに、LB法やLS法によりフラーレンGeminiの展開単分子膜をガラス基板上に写し取り,平成23年度に購入できたFT-IR用MAIRS, pMAIRS測定システムを用いて,薄膜におけるフラーレン単分子膜の配向状態の解析に着手する計画である。 なお、時間に余裕があれば、当初計画にはなかったが、新たなC60単分子膜形成法についても確立を目指し進展させたい。

次年度の研究費の使用計画

今年度は学会の中止などもあり、設備備品費および薬品等の消耗品費で全額を支出したが、平成24年度は、研究計画の遂行に必要な薬品・器具等の消耗品費ならびに23年度の研究成果発表のための旅費および論文費の合計70万円を使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] フラーレン単分子膜2011

    • 著者名/発表者名
      川瀬 徳三
    • 雑誌名

      表面

      巻: Vol. 49 ページ: 185-211

URL: 

公開日: 2013-07-10  

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