研究課題/領域番号 |
23550225
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
塩野 剛司 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 准教授 (30178850)
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研究分担者 |
岡本 泰則 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 教授 (50101259)
塩見 治久 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 准教授 (60215952)
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キーワード | バイオキャスト / 反応焼結 / 炭化ケイ素 / 多孔体 / 炭素 |
研究概要 |
本研究課題を遂行するために、平成23年度は、(1)バイオキャストセラミックスの合成に適した組織を持つ木質材料の探索、(2)炭化された木質材料の微細組織を活かしたケイ素化反応の確立を中心に、平成24年度は、最適化された条件で合成されたバイオキャストセラミックスの基礎的物性、特に細孔径分の評価を中心に研究を進めた。その結果、バイオキャストセラミックスの作製に、炭化した木質組織をバルク状炭素材のテンプレートとして利用できることが明らかになった。 平成25年度は、炭化した木質組織をバルク状で利用するのではなく、粉末の炭素源としての可能性を検討した。カーボンブラック、グラファイトなど、他の炭素源をとの比較を行い、木炭の炭素源としての有用性を調査した。その結果、木炭は比較的大きな比表面積を有し、無定形炭素の結晶状態であることから、他の炭素源に比べSiとの反応性が高く、合成された反応焼結SiC多結晶体の結晶性や結晶化度も他の炭素源を用いた場合に比べ優れていることが明らかになった。したがって、SiC調製用の炭素源として有用であることが分かった。さらに、木炭とSiとの混合比を炭素リッチにして反応焼結を行い、未反応炭素を除去することで多孔質SiCの作製を行った。その結果、結晶化度の優れた反応焼結SiCを得るには、出発原料となる炭素源粉末の比表面積を高くすること、すなわち木炭粉末の粒子径を小さくすることと、成形体作製時の成形圧を高くして粒子同士の接触面積を増加させることが重要であることが分かった。また成形体の組成比をカーボンリッチにしていくことで得られる反応焼結体の比表面積および細孔容積量を制御できることが明らかになり、優れた多孔質SiCが作製できることが分かった。
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