研究課題/領域番号 |
23550235
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研究機関 | 独立行政法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
田村 堅志 独立行政法人物質・材料研究機構, その他部局等, 主幹研究員 (80370310)
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研究分担者 |
山田 裕久 独立行政法人物質・材料研究機構, その他部局等, その他 (00343848)
森本 和也 愛媛大学, 理工学研究科, 助教 (10565683)
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キーワード | 国際情報交換 |
研究概要 |
ブルーサイト以外の層状水酸化鉱物(ポートランダイト(Ca(OH)2),ギブサイト(α-Al(OH)3、ベーマイトα-AlOOH,レピドクロサイト(γ-FeOOH)等)、層状複水酸化物(ハイドロタルサイト)の合成と評価を行い、糖アルコールハイブリッド化を試みた。 糖アルコールとしてはキシリトール、D-ソルビトールを使用した。ブルーサイトと同様の条件(溶融混合)でハイブリッド化しできたものは、ポートランダイトであった。ポートランダイト/D-ソルビトール系のX 線回折測定の結果は、ポートランダイトの0.49nm の底面間隔が1.3 nm に拡大し、FT-IR スペクトルが反応後に3640 cm-1 近傍のOH 伸縮振動が消失し、ブロードな2900 cm-1 、2840cm-1のCH伸縮振動が現れた。その結果、D-ソルビトールがintercalateしていると結論付けられた。ギブサイトについてはエチレングリコールとのハイブリッド化では成功した。いずれも層表面の脱水反応を通じてハイブリッド化しているものと考えられる。 物質の化学組成により結晶層間の結合力に違いがあると考え、intercalation条件とそのメカニズムを調査・検討中である。また層間に交換性陰イオンをもつ層状複水酸化物の場合は、処理によって容易に糖アルコール分子を取り込むが、水による洗浄によってdeintercalationしてしまうことが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
次のステップ(ポリマーナノコンポジットへの展開)の検討準備は整ったものの、多種類の鉱物で検討したことによって新たな基礎検討が必要となり時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
1.糖アルコールと水酸化鉱物のハイブリッド化条件について整理する。 2.高分子との複合化の検討:生体適合性高分子。 3.上記、材料の評価を実施する。 4.結果の総括を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
消耗品、旅費として使用する予定である。
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