研究課題/領域番号 |
23550238
|
研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
小形 信男 福井大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70108249)
|
研究分担者 |
中根 幸治 福井大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50292446)
島田 直樹 福井大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (10545007)
|
キーワード | ナノファイバー / レーザ / 溶融静電紡糸 / エンジニアリングプラスチック |
研究概要 |
ナノファイバーマットを得るために、レーザを溶融方式としたレンズ型溶融静電紡糸法を開発し、これを用いての繊維作製を試みた。その結果、繊維径が大きいことが分かった。これを解決するために、繊維が形成されるテーラーコーン内での繊維形成機構を解明する必要がある。そこで、非相溶ブレンド物を作製し、そのブレンドシートからの繊維形成を前年度までに検討した。その結果、テーラーコーン先端での局所的溶融体の変形が繊維径を大きく支配することが分かった。そこで、本年度は、電気的牽引力を効果的に作用させ繊維径の微細なナノファイバーを得るために、また、繊維マット幅を大きくするためにスキャン型レーザ溶融静電紡糸法を開発し更に、紡糸空間温度を制御出来る様に、装置を大幅に改良した。この装置を用いて、多くの高分子シートからナノファイバー作製を試みた。その結果、テーラーコーンから吐出する繊維の急激な温度低下を防ぐ事が出来るように紡糸空間温度を上げる事が繊維径を小さくするために不可欠であることが分かった。そこで、エンジニアリングプラスチックからの繊維形成を試みた。ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)のナノファイバーはナノファイバー化の可能性が高いが、液晶形成能のあるポリアリレート(LCP)のナノファイバーマットの作製に成功しなかった。この原因として、レーザ強度が既存の装置では十分でないためと判断した。これが解決できるとLCPのナノファイバーマットが作製できると考えた。
|