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2012 年度 実施状況報告書

ナノフィラーによってアシストするセルロースの高速紡糸と再生繊維の高性能化

研究課題

研究課題/領域番号 23550239
研究機関信州大学

研究代表者

後藤 康夫  信州大学, 繊維学部, 准教授 (60262698)

キーワードセルロース / 再生繊維 / 高性能化 / カーボンナノチューブ
研究概要

カーボンナノチューブ(CNT)を、分散剤および保護ポリマーを用いてセルロース溶液に微分散させることで、セルロース繊維の高速紡糸が可能となる紡糸液を調製し、高性能セルロース再生繊維の創製を進めている。本年度は、初年度に本課題で導入した紡糸装置を活用し試験を押し進めることができた。一方で、原料CNTの不均一性に起因すると考えられるCNT凝集がしばしば紡糸溶液中に観察されたことから、より再現性・分散性のよい紡糸液の調製方法を改善した。具体的には、非常にCNT分散効果の高い界面活性剤を用いて水中にCNTを分散させた後、保護ポリマーを加え、その後キャストにて固体化する。これをメタノールにより界面活性剤で抽出することで、CNTと保護ポリマーからなるマスターバッチを作製した。このマスターバッチを混練機中で溶解させたセルロース溶液に添加することで、従来と比較して、再現性、分散性ははるかに改善された。また、溶液を短時間(1時間以内)で作製できるために、生産性も大きく向上した。上記の点は、実用上、極めて有効な結果である。
上記紡糸液を用いて、鋭意紡糸を行った結果、引張弾性率については、申請時の値(60GPa)を若干超える繊維の作製に成功した。繊維中の結晶構造は、再生繊維に典型的なII型結晶であった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

セルロース選定を含めた紡糸液調製については、おおむね計画通りに進捗した。特に紡糸液調製法を見直すことで、再現性・生産性を大幅に改善することができた。その結果、試験回数を大幅に増やすことができたことから、さまざまな条件下で試験を実施した点は有意義であったと評価している。

今後の研究の推進方策

研究の基本的な推進方針に変更はない。平成24年度はおおむね順調に研究を進捗させることができた。特に紡糸液調製法の改善等により、より短時間に紡糸性良好な均一溶液が得られるようになったことから、さらに実験回数を重ねることで高強度・高弾性率化の条件の最適化へ向けて実験を押し進めていく。また、実用化を念頭に置き、可能な限り多量のサンプルが得られるようにスケールアップしていく予定である。NMMO溶液の水和数を変えた時に得られる繊維の物性・構造についても合わせて検討を行い、紡糸速度の更なる高速化を行い。I型結晶セルロースが得られるかということについても検討する。

次年度の研究費の使用計画

該当なし。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] High modulus regenerated cellulose fiber reinforced by CNT2012

    • 著者名/発表者名
      Yasunari Numano,Shohei Hamada,Atsushi Yamamoto,Yasuo Gotoh
    • 学会等名
      The 9th SPSJ International Polymer Conference (IPC2012)
    • 発表場所
      Kobe, Japan
    • 年月日
      20121211-20121214

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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