研究課題/領域番号 |
23550244
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
内田 哲也 岡山大学, 自然科学研究科, 准教授 (90284083)
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キーワード | カーボンナノチューブ / 結晶化 / ナノフィラー / 複合体 |
研究概要 |
単層カーボンナノチューブ(SWNT)の固体構造形成過程の解明とその制御を目的とし、希薄溶液からSWNTの結晶化を行った。作製に当たっては、我々がこれまで行ってきた「剛直で折れ曲がることのできない高分子」の結晶化の検討で得られた知見を活かし、長さを短く切断したSWNTを用いて希薄溶液からゆっくりと結晶化させた。その結果、明確な晶癖を示すSWNT単結晶が得られた。その構造の特徴を透過型電子顕微鏡で詳細に検討することにより、SWNTの結晶化機構を明らかとした。またSWNTゆえに生じる固体構造oおよびその形態の特徴を高分解能電子顕微鏡観察結果から明らかにした。さらに得られた知見をもとに、分散性がよく、直線状のSWNT凝集体(SWNTナノフィラー)を作製し、複合体への応用についても検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定どおり、SWNT単結晶を作製し、その固体構造形成過程を明らかにしており、さらに複合体の利用に向けた検討も順調に進んでいるため。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、SWNTの希薄溶液からの結晶化を行い、その結晶化機構および固体構造の特徴を明らかにする。さらに得られた知見を最大限活用して、SWNTナノフィラーの構造制御を行い、複合体への利用もさらに発展させる。
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次年度の研究費の使用計画 |
SWNTの複合体への利用を検討するため、純度の高いSWNTを購入して検討を行う。また、微細なSWNT単結晶およびSWNTナノフィラーの固体構造を詳細に検討するため、透過型電子顕微鏡観察を行う。その際、高分解能観察用の薄いカーボン支持膜や高感度フィルムなどを購入して観察する。SWNTナノフィラー作製のスケールアップも検討するため、グラムオーダーでSWNTを購入する。
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