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2013 年度 実績報告書

可視光による光運動機能を有する高分子液晶多層膜の構築

研究課題

研究課題/領域番号 23550247
研究機関熊本大学

研究代表者

緒方 智成  熊本大学, イノベーション推進機構, 准教授 (90332866)

研究分担者 栗原 清二  熊本大学, 自然科学研究科, 教授 (50225265)
桑原 穣  熊本大学, 自然科学研究科, 助教 (60347002)
キーワード光運動 / アゾベンゼン / 可視光応答性 / プッシュプル型アゾベンゼン / 液晶性高分子
研究概要

本年度は可視光応答性、垂直配向性、高速応答性を兼ね備える、液晶性プッシュプル型アゾベンゼンの設計と合成、評価を中心に検討を行った。昨年までの検討で合成した長鎖アルキル基を有するプッシュプル型アゾベンゼンは良好な可視光応答性は示したものの、液晶性と配向性が低く、フォトメカニカル素子材料として適していなかった。そこで分子計算により分子構造を確認したところ、電子供与基の三級アミンの部分で大きく屈曲しており、分子の直線性が低いために液晶性・配向性が低いと推測した。また、電子吸引基のニトロ基も極性が高く液晶性を示さない原因と推測した。そこで、分子計算を活用し電子供与基、電子吸引基、スペーサー長を変えて分子設計を行い、二種類のモノマーを合成した。いずれも電子吸引基として、対称性の高いピペラジンを採用し、一つは電子吸引基にシアノ基、スペーサー長をn=8としたモノマー(CAzP8Ac)、もう一つは電子吸引基にシアノ基とクロロ基の二つを有するモノマー(CAzP6ClAc)を合成した。それぞれを重合して得られたポリマーの配向性を確認したところ、PCAzP8Acは垂直配向性を示した。PCAzP6ClAcは側鎖の置換基により直線性が低下したためか、配向性が低かった。吸収波長はいずれもPMAz6Acに比べて長波長化して可視光応答性を示し、特にPCAzP6ClAcは吸収波長445nmとなった。その光異性化および逆異性化速度はPMAz6Acより高速ではあるもののDisperseRed1より遅く、光照射中のみ変形して暗所で復元するために必要な「光照射中のみ配向が乱れる」特性は達成できなかった。さらに得られたモノマーの重合性はいずれも著しく低く、開始剤濃度を高くすることでようやく数%の重合物が得られた。収率が低いこともあり、フォトメカニカル特性については十分な検討を行う事ができなかったが、「可視光」で「高速」に配向応答するアゾベンゼン高分子液晶を得ることができた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] アゾベンゼン高分子液晶を用いた多層膜の光応答性の高速化2013

    • 著者名/発表者名
      八木良平,桑原穣,岩本紘征,緒方智成,金善南,栗原清二
    • 学会等名
      第50 回化学関連支部合同九州大会
    • 発表場所
      北九州国際会議場
    • 年月日
      20130706-20130706
  • [学会発表] アゾベンゼン高分子を含む高分子液晶多層膜フォトアクチュエーターの作製と機能2013

    • 著者名/発表者名
      楢田洋祐,小幡慶太郎,金善南,桑原穣,緒方智成,栗原清二
    • 学会等名
      第62回高分子学会年次大会
    • 発表場所
      京都国際会館
    • 年月日
      20130529-20130531

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公開日: 2015-05-28  

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