強誘電フッ化ビニリデン系高分子薄膜について、分極反転の極限ダイナミクスおよび微視的機構を明らかにするため、超高電場における高速スイッチング、および時分割圧電応力顕微法(TR-PFM)の測定を行った。スイッチング時間は電場300MV/m以上で指数則からパワー則に移行し、800MV/mにおいて反転時間が1nsの超高速になるとともに、絶縁破壊及び熱拡散時間に制限される実質的な極限値であることを示した。TR-PFMによって分極反転が微結晶内の特定の場所から核生成成長機構により進行し、核生成確率と成長速度の分離と定量的評価により、微視的機構の定量的理解を与えることに成功した。
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