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2012 年度 実施状況報告書

異方性を持つIII-V窒化物半導体の複素誘電率を絶対測定する真空紫外エリプソの改良

研究課題

研究課題/領域番号 23560006
研究機関福井大学

研究代表者

福井 一俊  福井大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80156752)

キーワードエリプソメータ / 真空紫外光 / 放射光 / III-V窒化物半導体
研究概要

産総研によって試作されたユニークな可視-真空紫外(VIS-VUV)対応エリプソメータ(エリプソ)を分子研の放射光施設UVSORの3m直入射型分光ビームラインBL7Bとドッキングさせ、VIS-VUV領域で連続して複素誘電率を測定可能とし、通常のVIS領域エリプソでは測れないワイドバンドギャップ半導体であるIII-V窒化物半導体のバンド端近傍及びそれ以上のエネルギー領域での複素誘電率を絶対測定することを目的としている。
そのため、このエリプソ試作機をそのままの状態でBL7Bと接続し、問題点を洗い出すことを本申請採択以前から行ってきた。初年度は大きく二つある問題点のうち一方を解決したが、もう一方が解決できず計画の進捗の遅れとして当該年度にずれこんでいた。その問題とは真空槽を光軸まわりに回転する時、試料を保持する部分のたわみ等が試料照射位置のずれや入射角度のずれとなって現れて、試料からの反射光を受ける検光子を兼ねた受光ダイオードへの入射位置・角度のずれとなってしまうことであった。この問題に関しては超高真空部品のがたつきや部品間の組み付け順序などが決め手で、試行錯誤の結果、とりあえず許容できる誤差まで絞り込むことが出来た。また、当該年度の課題として、測定結果の解析方法・測定時間の短縮に取組んだ。これは、他の研究者との意見交換から当初の計画より測定時間の短縮が必要であることがわかり、実験時間が制限されるマシンタイム制の実験条件下で、いかに精度良くデータを取得するかという元々の課題と合わせて検討を行なった。完全に解決はしていないが目処が立つ程度まで進行している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

「概要」に示した様に、頂いた資金で失敗無くエリプソとビームラインの結合をさせるために十分な予備実験を優先したこと、及びこの2年間学会等で得た知見から測定の高速化が必要であることがわかり、計画からの遅れが生じている。但し、既存の装置をそのまま使っての評価はほぼ修了することが出来た。粗い設計が終っているパラレルリンクを使った光軸調整機構の詰めと製作、高速化のための検出器の超高真空中でのモータ回転機構の新規設計と製作が最終年度に集中してしまったが、評価としては「やや遅れている」の範疇にあると考える。

今後の研究の推進方策

本研究の課題は (1)エリプソとビームラインの結合を担うエリプソ架台の光軸追尾コンピュータコントロール光軸調整機構 (2) 測定精度を決めるエリプソ本体真空槽の回転時の精度(試料ホルダのガタツキも含む) (3) 測定時間(及び精度)を従来に比べ画期的に高めると考えている検出器の超高真空中でのモータ回転機構の新規導入 である。(1)についてはほぼ設計が終っていており、具体的な機械・電気部品もほぼ選定済みである。(2)についてはほぼ終っており、真空槽とともに光軸周りを回転する部分の架台の設計・製作が進行中である。つまり、次年度で初めて取組む(3)も含め製作が主な課題となるため、研究室の学生の応援も求め行なう予定である。

次年度の研究費の使用計画

上記(1)の軸受け・一軸ステージ(パラレルリンクの足の部分)、PC、PCインターフェース、(3)のステッピングモータ一式、(1)及び(3)で使う様々な金属材料等々が予定されている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 紫外・真空紫外分光エリプソメトリーの開発

    • 著者名/発表者名
      中村康寛, 尾崎恭介, 福井 一俊, 齋藤輝文, 堀米利夫
    • 学会等名
      第26回日本放射光学会年会・放射光科学合同シンポジウム
    • 発表場所
      名古屋大学
  • [学会発表] 斜入射検出器を用いた真空紫外エリプソメータによるストークス・パラメータおよび光学定数測定

    • 著者名/発表者名
      齋藤輝文, 尾﨑恭介, 福井 一俊, 岩井浩紀, 山本 晃司, 三宅秀人, 平松和政
    • 学会等名
      第8回偏光計測研究会
    • 発表場所
      東京都千代田区

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公開日: 2014-07-24  

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