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2012 年度 実施状況報告書

走査型位相計測電子顕微鏡法の開発と電池内電位動的観察への応用

研究課題

研究課題/領域番号 23560031
研究機関独立行政法人物質・材料研究機構

研究代表者

竹口 雅樹  独立行政法人物質・材料研究機構, その他部局等, 研究員 (30354327)

キーワード電子線ホログラフィー
研究概要

走査位相計測電子顕微鏡法による1次元試料走査によって2次元位相像出力法を確立するとともに縞走査法と同様に干渉縞間隔以下の空間分解能の位相像取得が可能となった。また従来の縞走査法は干渉縞を走査させて位相像を得るために観察視野全域に干渉縞を形成する必要があり干渉縞のコントラストが低下してしまい位相分解能が十分あげられないという問題があったが、本方法では試料を走査するため干渉縞幅の制限がなく高コントラストの干渉縞を用いることができ、より位相分解能を上げることができるようになった。この技術は本年度特許出願を行った(透過型電子顕微鏡及び電子線干渉法」特願2012-101654)。また本システムのソフトウエアも改良し干渉縞方向と走査方向が垂直ではなくても首尾よく位相像が得られ、また様々な位相解析も行えるようになった。
試料に関してはガスを流しながら試料観察ができるその場観察試料ホルダー以外に大気遮断搬送システムを準備し、FIB装置から試料ホルダーに移す時にはグローブボックスを用いて行えるようにした。これにより試料作製からTEM観察までを大気暴露なく行えるような体制が整った。今後は大気暴露できないLiイオン電池系材料での実験を進めていく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計画通り、試料走査による位相像を取得し、実際にMgOナノ結晶の観察などによって空間分解能や位相分解能などの性能評価を実施することができた。またソフトウエアの改良によって位相解析機能も整っている。一方、試料準備についてはその場観察試料ホルダー、大気遮断搬送システムが整い、大気暴露できないLiイオン電池系材料の実験ができるようになった。テストサンプルを用いてサンプルの一方に電圧印可もできるようになった。予定では本年度末にLiイオン電池を用いたチャージディスチャージ時のポテンシャル変化を走査位相計測電子顕微鏡法によってダイレクト位相観察に着手する計画であったが、実際のサンプルを用いた実験はH25年度に入ってから実験を行う計画である。全体的にはおおむね順調に進呈していると考えている。

今後の研究の推進方策

研究課題最終年度であり、Liイオン電池電極へ電圧印可を行い、チャージディスチャージによる電極/電解質界面におけるポテンシャル変化の計測を行い、ナノスケール界面現象の解析を行う計画である。また同時にイオン移動の振る舞いについても評価するために電子線エネルギー損失分光(EELS)による組成解析も行う計画である。さらに本研究課題によって立ち上げたシステムの応用展開のため、Li電池材料だけでなく、様々な電池材料や触媒材料などの環境エネルギー材料その場計測を行う。

次年度の研究費の使用計画

次年度に使用を計画している研究費は、試料素材費、バイプリズム交換消耗品費、試料作製関連消耗品である。試料素材費はテスト用二次電池電極/電解質材料は材料購入して製作する予定である。バイプリズムのワイヤ電極は使用につれて汚れてくるので次年度早々に交換を予定している。また試料作製関連消耗品はFIB加工の前の切断や研磨のための刃や研磨シート、試料保持のメッシュなどである。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件) 産業財産権 (1件)

  • [学会発表] Direct phase acquisition in electron holography with a stage-scanning system2012

    • 著者名/発表者名
      Dan Lei、三石和貴、原田研、下条雅幸、巨東英、竹口雅樹
    • 学会等名
      日本金属学会2012秋期大会
    • 発表場所
      愛媛大学
    • 年月日
      20120917-19
  • [産業財産権] 透過型電子顕微鏡及び電子線干渉法2012

    • 発明者名
      竹口雅樹/三石和貴//原田研
    • 権利者名
      竹口雅樹/三石和貴//原田研
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      特願2012-101654
    • 出願年月日
      2012-04-26

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公開日: 2014-07-24  

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