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最終年度、試料走査型位相計測電子顕微鏡法においてカーボン担持コバルトナノ粒子などを用いて高位置分解能・高位相分解能技術の検証実験を行った。その結果、位相計測精度をより向上させるためにはバイプリズムにおける電子の回折によるフレネル縞の影響が無視できないことがわかったため、フレネル縞コントラストの影響を除去する手法を検討し、位相再生ソフトウエアにその機能の追加を行い、位相の高感度化を可能とした。
また位相に対する高感度化の検証としてTEM位相コントラスト法により窒素ドープグラフェン試料における窒素ドープ位置の電荷局在試料を観察し、電荷局在位置を原子レベルでとらえることができることを確認した。今後はこの試料に対して、上記高感度位相検出技術を適用し、定量的な可視化研究に発展したいと考えている。
一方、電圧印可できる試料ホルダーによって、固体Liイオン電池モデル材料(LaLiTiO3)やAlGaN/GaN試料に対して電圧印可のオンオフによるポテンシャル変化のダイレクト位相観察を試み、その変化を捉えることができることを確認することが出来た。また特に固体Liイオン電池材料FIB装置からグローブボックスを用いてTEM観察までを大気暴露できるシステムを構築し、大気非暴露で試料をTEM観察ができることを確認した。以上、目的を実施するための必要な要素技術はほぼ達成された。今後は実際に大気非暴露状態で試料作製/試料搬送された固体Liイオン電池モデル材料(LaLiTiO3)に対して電圧オンオフにおけるポテンシャル変化の観察を実施していく予定である。
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