研究課題
近年、多種多様なデバイスが開発され実用化に向けて研究がなされている。デバイスの物性解明には電子状態の測定が必要不可欠であるが、電子状態測定は無バイアス下で行われており、デバイスの物性を詳細に理解するにはデバイス動作下での電子状態測定が必要不可欠である。本研究では申請者のグループが開発したバイアス電圧印加硬X線光電子分光法を用いてデバイス動作下での電子状態の直接観測を行う。この手法は作製した素子をそのままの状態でかつバイアス電圧印加状態で電子状態が測定可能な手法である。当該年度は金属/極薄酸化物/半導体界面における極薄酸化物/半導体界面の界面準位のエネルギー準位の直接観測に成功した。本手法では界面準位密度 1/10000でも検出可能な高検出手法であることがわかった。窒素の導入により 界面準位密度が増加することがわかり、窒素濃度にかかわらず、界面準位の形状は変化せず、密度のみ変化することがわかった。また用いる電極によりゲートスタック構造のポテンシャル分布の電圧及びゲートメタル依存性の観測に成功した。本成果はゲートスタック構造の際問題となっているフェルミレベルピニングの起源を示唆する結果であった。
2: おおむね順調に進展している
当初の目的のゲートスタック構造のフェルミレベルピニングを示唆する結果を得る事に成功するとともに、金属/極薄酸化物/半導体界面における極薄酸化物/半導体界面の界面準位のエネルギー準位を高検出で観測する新しい手法を開発した
固体電池の電子状態計測をすることを目的としたが、試料の作成ががかなり困難で本年度かなりの時間を費や、ようやく実験ができるようになった。また、本課題の当初の目的とは関係ないが、太陽電池を交流返還する際に重要なパワコンの素子であるSiCパワーデバイスの欠陥同定を本手法にて行う(本手法は酸化物/半導体界面の界面準位のエネルギー準位を高検出で検出可能な事がわかった為
共同研究により進展があり、さらに光電子分光スペクトルの測定について、より精度を高める必要が生じたため、残額が生じた。このため、光電子分光スペクトルの高精度測定および試料作製のための機器および消耗品と、電子デバイスの研究分野において最も重要な国際・国内会議に成果発表を次年度に行うため、未使用額はその経費に充てることとしたい。
すべて 2014 2013
すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 8件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)
J. Appl. Phys.
巻: 115 ページ: 5pages
10.1063/1.4863637
Nanoscale
巻: 5 ページ: 3954-3960
10.1039/C3NR00106G
巻: 113 ページ: 163707
10.1063/1.4803
Jpn. J. Appl. Phys
巻: 52 ページ: 108005
10.7567/JJAP.52.108005
巻: 52 ページ: 08JD01
10.7567/JJAP.52.08JD01
J. Appl. Phys
巻: 114 ページ: 033505
10.1063/1.4812570
Sci. Tech. Adv. Mat
巻: 14 ページ: 045001
10.1088/1468-6996/14/4/045001
Solid State Ion.
巻: 14 ページ: 110-118
10.1016/j.ssi.2013.09.015