研究課題/領域番号 |
23560039
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研究機関 | 和歌山大学 |
研究代表者 |
野村 孝徳 和歌山大学, システム工学部, 教授 (80222206)
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研究分担者 |
沼田 卓久 和歌山大学, システム工学部, 教授 (80135673)
似内 映之 和歌山大学, 産学連携・研究支援センター, 准教授 (00304189)
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キーワード | 位相シフト法 / ディジタルホログラフィ / 波面分割 |
研究概要 |
提案している一般化位相シフト法では,参照光の複素振幅は特定の分布である必要がないため,汎用的な素子を用いて実現することができる.この長所を活かして,拡散板を用いてランダムな複素振幅分布とした光波を参照光に用いている.これまでに提案手法に適した参照光の複素振幅分布の特性を,スペックルの大きさの観点から明らかにしている. 今年度は,提案手法による物体光の算出アルゴリズムの改良をおこなった.本手法では隣接画素間の演算によって物体光の複素振幅を算出する.この際,複素振幅の算出式は一意に決定されるものではなく複数存在する.加えて,本手法では参照光の隣接画素間位相の差が位相シフト量に相当する.この差が有意な値のとき,物体光の複素振幅分布の算出が可能であると考えられる.したがって,参照光の複素振幅に応じて演算を使い分けることにより,単一の使用の場合に比べて再生像の画質を向上できる. 提案手法では,3種類の複素振幅の算出式(演算方向)が存在する.すなわち,近傍4画素の画素の水平方向,垂直方向,斜め方向の演算によって算出するものである.これらの中から最適な演算方向を用いて物体光の複素振幅分布を求める手法が提案手法である.最適な演算方向であることを示す指標を提案し,その指標と主観的な評価が一致することを示した後,参照光の複素振幅に応じて演算方向を使い分ける規範を示した.単体の使用の場合に比べて再生像の画質を向上できることをコンピュータシミュレーションおよび光学実験によって示した.単一露光位相シフト法の特徴を活かし,動物体のホログラムの記録再生にも成功した.
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