研究概要 |
H25年度は、昨年度までに試作したガラスブロック内部を多重反射する一体型のパルス伸張器/圧縮器および光パラメトリック増幅器を用いて光パラメトリックチャープパルス増幅(OPCPA)およびパルス圧縮の最適化実験を行った。種光にはモード同期チタンサファイアレーザー発振器(中心波長1020 nm,パルス幅50 fs)を用い、試作したガラスブロック(長辺50 mm、短辺44 mm、厚さ10 mm)内を全反射することにより、パルス幅2.3 psにパルス伸張し、OPCPA用のチャープパルス信号光としてBBO 結晶(厚さ7 mm、タイプI)に入射すると同時に、発振器に同期した低温冷却型Yb:YLFチャープパルス再生増幅システムからの2倍高調波光をポンプ光としてBBO 結晶には信号光とはわずかな交差角(~0.3 deg.)を設けて入射し、ほぼ縮退条件で増幅を行った。その結果パラメトリック増幅出力として 60 μJのエネルギーが得られ、この時の増幅利得は30,000に達した。増幅したチャープパルス信号光と共に発生した負のチャープを有するアイドラー光は、ガラスブロック内を再度通過することによりパルス圧縮される。その結果、自己相関計で測定したアイドラー光のパルス幅は86.5 fsであり、モノリシックの小型ガラスブロックのみで最適にパルス伸張および圧縮することに成功した。
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