研究課題/領域番号 |
23560047
|
研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
平井 亜紀子 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測標準研究部門, 主任研究員 (00357849)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
キーワード | 屈折率 / 群屈折率 / 分散 / 干渉計測 / 広帯域光干渉計 / チャネルドスペクトル |
研究概要 |
光科学、光学産業の多くの分野で、光学材料の屈折率やその波長依存性(分散)の正確な情報が必要とされているが、10-5から10-6オーダーで値の信頼性が確保できる測定技術は少なく、また、これまではレーザーや輝線スペクトルのような離散的な単一波長における屈折率の値しか直接精密測定できなかった。本研究では、白色LEDのようなブロードバンド光源を用い、バリアブルパス(光路長可変)干渉法と分光器、光路長補償系を組み合わせることにより、光学材料の位相屈折率分散および群屈折率分散を精密に直接計測する手法を開発する。 平成23年度は、群屈折率分散と位相屈折率分散の両方を測定することができる光学系を設計し、目標とする屈折率の測定精度を達成するために必要な、各装置の性能を検証した。 光源としてブロードバンド光源を用いるため、光源の可干渉距離以上の光路長差を与えた場合は干渉縞やチャネルドスペクトルの構造が消滅し、測定できない。よって、バリアブルパス干渉計の測定光路長変化を参照光路長の変化により補償し、補償量測定干渉計でその補償量を測定することにより、試料中の光路長変化量を求める系を設計した。次に、設計した系の挙動をシミュレーションにより評価し、使用する光源に対して必要な光路長差を与えた場合でも干渉縞を計測することができる移動ステージの制御パラメータを決定した。また、屈折率測定の不確かさに寄与する要因を挙げ、それらの影響を解析的に評価することにより、屈折率の目標測定不確かさ10-5を達成するために必要な、各不確かさ要因の不確かさを見積もった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
目標とする屈折率測定精度を達成するために必要な長距離移動ステージの仕様を決定し、発注したが、受注したメーカーが要求仕様を達成できずに納品が大幅に遅れているため。
|
今後の研究の推進方策 |
平成24年度には、ステージのメーカーへの改善依頼を行いつつ、要求仕様を緩和してステージを早期取得し、現状のステージ性能でできるだけ高い精度が得られるように測定系を再設計し、構築していく。
|
次年度の研究費の使用計画 |
長距離移動ステージを受注したメーカーが要求仕様を達成できないためにステージが納品されておらず、その費用が繰り越されている。また、ステージ導入後に測定システムを構築するための費用も合わせて繰り越されている。平成24年度には、ステージのメーカーへの改善依頼を行いつつ要求仕様を緩和して、ステージを早期取得して測定システムを構築し、主にステージ、光学部品、電気部品、機械部品として研究費を使用する計画である。
|