光科学、光学産業の多くの分野で、光学材料の屈折率やその波長依存性(分散)の正確な情報が必要とされているが、10-5から10-6オーダーで信頼性が確保できる技術は少なく、またこれまではレーザーや輝線スペクトルのような離散的な単一波長における屈折率の値しか直接精密測定できなかった。本研究では、白色LEDのようなブロードバンド光源を用い、バリアブルパス(光路長可変)干渉法と分光器、光路長補償系を組み合わせることにより、光学材料の位相屈折率分散および群屈折率分散を精密に直接計測する手法を開発する。 平成25年度は、目標とする屈折率の測定精度を達成するために必要な装置の性能を検討・決定し、群屈折率分散と位相屈折率分散の両方を測定することができる光学系の構築を引き続き行った。 群屈折率分散測定では、光路長変化用の長距離移動ステージが静止した状態で分光器によりチャネルドスペクトルを取得する。チャネルドスペクトルから精度良く光路長を求めるために、スペクトルの帯域幅とチャネル構造の周期、分光器の波長分解能の関係を考慮し、最適な光路長を決定した。また、群屈折率分散、位相屈折率分散測定とも、光軸やステージ移動軸に対するプリズムの角度調整が測定精度に影響を及ぼす。そのため、プリズムの必要な調整軸と調整方法を検討・決定した。また、これまで長距離移動ステージの静止性能および移動性能ができるだけ良いものが得られるようにステージ制御パラメータを検討して決定してきたが、それに応じた信号取得系を設計した。
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