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2012 年度 実施状況報告書

3波共鳴型差動複合共振器制御による高効率CW光パラメトリック発振器の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23560051
研究機関独立行政法人情報通信研究機構

研究代表者

笠井 克幸  独立行政法人情報通信研究機構, 未来ICT研究所ナノICT研究室, 主任研究員 (90359084)

研究分担者 張 贇  電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 助教 (00508830)
キーワード量子エレクトロニクス / レーザー / 光パラメトリック発振器 / 量子相関
研究概要

光パラメトリック発振器はパルス発振の領域において幅広い応用分野で利用されてきたが、CW(連続波)においては安定でチューナブルな発振を得ることが非常に困難であった。本研究では、3波共鳴型の差動複合共振器構造により、高効率でチューナブルなCW発振を得ることを目的としている。本年度は、疑似位相整合結晶のPPKTP結晶を用いて差動複合共振器構造の光パラメトリック発振器の設計製作を行った。用いているポンプ光パワーに対して共振器出力ミラーの透過率設計が最適でなかったために発振が得られなかったが、さらに透過率を下げることにより発振しきい値が下がり発振を得ることができると考えられる。共振器の制御に関してはPound-Drever-Hall法だけで複合共振器を安定化することが困難なことが分かり、ディザリング法を組み合わせた方法の検討を行った。また、ポンプ光光源のパワーが不十分であるため、外部共振器とPPKTP結晶を用いたSHGによる高出力のポンプ光光源を開発し、1.2Wの安定なポンプ光パワーが得られた。この成果については、Optics Communicationsへ論文投稿を行い掲載可となった。3波共鳴型差動複合共振器構造の光パラメトリック発振器のアイデアに関しては、国内特許を取得することができた。関連して、PPKTP結晶とデュアルポート型SHG共振器による量子相関をもつ光子数スクイーズド光子対ビームの生成について検討と実験を行い、実験においてスクイージングと量子相関が観測されたので学会発表を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

共振器出力ミラーの透過率設計値が最適でなかったと考えられ、差動複合共振器構造での光パラメトリック発振が得られなかった。

今後の研究の推進方策

複合共振器ミラーの設計値が最適でないと考えられるので、共振器出力ミラーの透過率を下げるなどの変更を行う。さらに発振が得られない場合は、ポンプ光を高出力の光源に変更して実験を行う。

次年度の研究費の使用計画

本年度末に研究分担者と研究打ち合わせを行う予定であったが、日程上困難となった。そのための旅費を繰り越し、次年度の研究打ち合わせに使用する計画である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Generation of 1.2 W green light using a resonant cavity-enhanced second-harmonic process with a periodically poled KTiOPO42013

    • 著者名/発表者名
      Y. Zhang, N. Hayashi, H. Matsumori, R. Mitazaki, Y. Xue, Y. Okada-Shudo, M. Watanabe, K. Kasai
    • 雑誌名

      Optics Communications

      巻: 294 ページ: 271-275

    • DOI

      10.1016/j.optcom.2012.11.097

    • 査読あり
  • [学会発表] デュアルポートSHG共振器による量子相関をもつ光子数スクイーズド光子対ビームの生成2013

    • 著者名/発表者名
      三反崎涼平、松盛 裕志、清水光、金東賢、笠井克幸、薛迎紅、張贇、岡田佳子、渡辺昌良
    • 学会等名
      第60回応用物理学会春季学術講演会
    • 発表場所
      神奈川県、神奈川工科大学
    • 年月日
      20130327-20130330
  • [学会発表] 高周波数安定度を得るための低雑音半導体レーザーの開発2013

    • 著者名/発表者名
      玉城竜、笠井克幸、張贇、岡田佳子、渡辺昌良
    • 学会等名
      レーザー学会学術講演会第33回年次大会
    • 発表場所
      兵庫県、姫路商工会議所
    • 年月日
      20130128-20130130

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公開日: 2014-07-24  

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